2021.12.5クリスマス展まであと少し
師走に入り、小樽は、雪ー雨ー風を繰り返しながら、自宅のある天狗山付近は、少しずつ根雪になりつつあります。
街角は、クリスマスのイルミネーションが彩り始め、大好きな小樽駅では、地元の吹きガラス職人さん達のストーリー溢れる作品の展示がとっても素敵です。
そして、いよいよ、今週金曜日からは、宮平桐さんとの冬の展示会が、大通りビッセ3F(ビッセギャラリー)にてオープニングを迎えます。昨年まで約17年間お世話になった、大丸札幌店さんを卒業して、初めて冬展を二人でビッセギャラリーで開催することにしました。
また、二人の中で、大丸さんでのイベント企画を、毎年組んでくださった四籐さんに、大丸展に引き続き、彼のもう一つのビジネスでもあるフラワーアレンジメントを是非会場でお願いしたい、との強い思いがありました。長年のパートナーシップを、また別のクリエイティブな形で、これからも育てていきたい…との思いでお願いをしました。
タイトル「ひとつめの灯火ーgentle transformationー」が、皆様にとって、また創り手の私たちにとっても、これから先の未来に向けて、優しく、前向きなものになるように、二人で世界を表現して行きたいと思います。
これから寒くなりますが、会期中、二人で、感染対策にも力を入れて、安心してご覧いただけますよう、努めてまいりますので、お近くにいらっしゃった際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
2021.12.1師走
12月1日、今年もラストの月になりました。
ゆっくりと、この一年を思い返す時間が、あまりないと思ってしまいがちですが、意識的に心がけていることがあって、特に創作しているときには、どこか心の部屋をひとつだけオープンにして、時の流れをゆっくりと振り返ることをしています。そのときに出てくるのは、今年も長く続くコロナ禍で、会えなかった人たちの顔。
やっと一歩、二歩進んだと思ったら、三歩下がるような感覚。もうずっと会えな過ぎてしまって、日々変化する状況を、ずっと受け止め続けてきて、適応することの繰り返しも、さすがにこたえてくるよね、と、受話器の向こうでため息と共に出てくるようになりました。日々仕事をして、家で過ごすこと自体はできるけれど、実際に人と会ってこそ、得れる温度感覚や友情の深まりの積み重ねが、頭で考えて折り合いをつけて、心で想い合えているから、と、時間と距離を超えて、お互いを精神的に支えることの意味と、健康であることに感謝しながら過ごしてきているこの2年間…。
そんなことを考えながら、今日も工房にこもって冬の灯りを創りました。
最近、我が家のセキセイインコのルルは、新しく買ってもらったはしごのオモチャにすぐ慣れて、上がっておはじきで遊び、はしごを後ろ向きのままで下がる繰り返し、非常に忙しそうです。我が家では、常にフリーにしているので、お腹が空いたら、自分のケージに戻りお食事して、遊びはリビング内にあるケージの向かいの鏡がプレイグランドになっているので、こうしてPCでブログを書いている時も、私の頭に時折飛んできて、ペチャクチャしています。ちょうど半年前くらいから、ケルト音楽のグループでSecret Gardenの創る「The Rap」という曲が大好きで、私にそのリズムを口ずさんで頭を振って「あの曲かけて!」とせがむようになりました。「種」は違っても、私を本当にママと思っているみたいで、このはっきりした性格は、誰に似たんだろう(もちろん私)と、家族は思っているみたいです。
2021.11.27クリスマスキャンドル
クリスマス展まで、あと二週間を切りました。
最近はもっぱら日中は工房にこもって、クリスマスキャンドルをたくさん創っています。
先日取り組んだ、ハイライトカラーの一つ、ペリーレーンブラックは、実際に灯して、ワックスプールが作り出す深い透明な世界を、ぜひ味わっていただきたいです。
今日は、夏の個展でリクエストが多かった、シックなテーパーキャンドルもつくりました。これは、ハンドディッピング製法を採用しているので、リズムと温度と、根気の勝負!のキャンドルです。
はじめは、芯の細さからのスタートで、それがだんだん形を成してくると、何百年も前に、こうしてキャンドルを創って、街の灯りをつくりだしていた人たちのことをふと考えたりします。そうすると、「丹念につくること」が、まるでchantのように頭に巡っていって、気づいたら出来上がっているのです。
クリスマスのオーナメントをモチーフにしたボールキャンドルは、今年は、ヴァージンウールの羊毛色に少し赤みのあるルネッサンスゴールドを組み合わせました。
香りも、食卓でも灯していただけるように、エッセンシャルオイルベースのものを取り入れています。
そして、これは、コラボレーティブパートナーの宮平桐さんの世界観をクリスマス仕様にデザインし製作しました。
彼女のアクセサリーのラインナップを意識してつくると、自分のカラーの世界がまたどんどん広がって、毎年楽しみながら、学ばせてもらっています。
この冬、皆様のお気に入りの「ひとつめの灯火」が見つかりますように。。。
2021.11.19朗読「銀河鉄道の夜」盛岡公演のご案内
「文学の国いわて」から、クリスマスに贈るレクイエム ー銀河鉄道の夜。
アーツライブいわて2021
語りの芸術祭 イン盛岡(12月)
朗読
『銀河鉄道の夜』
宮沢賢治 作
◆12月24日(金)19:00 開演
25日(日) 13:30 開演
◆会場/プラザおでって
おでってホール
◆チケットお問い合わせ・お申し込み:
プレイガイド窓口:カワトク/ フェザン / プラザおでって / もりおか町家物語館 / 風のスタジオ / Cyg art gallery
またはプロフィールよりDMでどうぞ!
メモ欄に、ご連絡先、ご希望の公演日時、ご希望のご予約席数を記してください。Jun’s Light米澤純より、確認のメールをさせていただきます。
※文化庁 大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業「JAPAN LIVE YELL project」
※主催:公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会、アーツライブいわて実行委員会、特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター
2021.11.12秋の終わりに
今年の秋は、とにかく雨が多くて風も容赦なく吹くのに、周りの木々は、なんとか1日でも秋が長く続くように、落葉せずに踏ん張ってくれているような、そんな日々が続いています。でも、さすがに、今週はじめの強風と豪雨の中、新千歳空港まで、朗読「銀河鉄道の夜」のMikly Way Projectのパートナー、栗田桃子さんを迎えに行った時は、今まで経験したことのない冠水状態の札幌をドライブしました。道路が水で鏡のようになって、端の車線に冠水で寄ることができず、やっぱり、地球で何かが大きく変わりつつあると実感していました。
高校時代、私が東京から北海道に移住したこともあって、ほんの少ししか一緒にいなかった彼女と、20年もすぎてからこうしてクリエイティブパートナーになることは、二人とも全く予想していなかったけれど、2016年に、初めての東京の個展に来てくれてから、何か二人で一緒にできないか…がはじまりとなって、二人でこのプロジェクトを少しずつ育ててきました。今年、コロナ禍にも関わらず、たくさんの方々の温かい応援の元、京都、札幌公演に続き、東京の舞台芸術学院での上演、そして、このクリスマスイブとクリスマスの日に、岩手・盛岡公演が決まりました。(盛岡公演の詳細は近々このHPでお知らせいたします)
公演の期間中は、なかなか二人でじっくりと反省会や打ち合わせもできないので、この時期に、彼女が北海道に来てくれることになりました。話し合いをしないといけないから、「せっかく小樽にいるのに、海をちょっとしか見せてもらえなかった!」と文句を言われながら(笑)、近くの海の見えるベーカリーに行ったり、お家で我が家のセキセイインコのルルを頭に乗せながら打ち合わせをしました。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は、未完だからこそ、時空を超えて私たち日本人の心に、様々な形で、また形を変えながら響く作品だと、回数を重ねるごとに思わされる気がします。そして、栗田桃子という読み手を通して、私たちに、小さい頃に戻って、それから年取っていく自分の姿をイメージする感覚というか、いろんな想像力が疑似体験となって心に残る作品だとも思います。一つ一つを丁寧に、「努力は裏切らない」と彼女が言った言葉を、改めて胸に刻んで、また創作活動に励んでいきたいと思いました。
2021.11.2東京・舞台芸術学院での上演を終えて
10月31日は、東京池袋にある、舞台芸術学院にて、朗読「銀河鉄道の夜」上演の日でした。
前日は仕込みがありましたので、初めて、舞芸の扉を開けた時から、生徒さん達とすれ違うと、一人一人が笑顔で大きな声でしっかりとご挨拶をしてくださったのが、とても印象的でした。
この作品を、公演のたびに、新しい芸術性が生まれる創造の旅へと導いてくれる、演出家の鵜山仁さんが学長を務められる舞台芸術学院は、鵜山さんを含め数々の舞台芸術家達を輩出してきている、70年以上の歴史のある学校です。設立されてから、ずっと同じ場所で、時代と共に文化芸術の学び舎となっています。鵜山さん曰く、「僕が学生だった頃は、この辺りは焼け野原みたいに、何にもなかったんです」だったそうです。
そして、上演の日。
キラキラと目を輝かせて、生徒さん達が次々に劇場入りしました。若いエネルギーは、きっと演者の栗田桃子さんへも届いていたと思います。銀河の旅は、どんどん広がって行きました。
今回、加わった新しい背景のワックスアートは、物語終盤の銀河に見えてくる「石炭袋」「空の孔」です。ジョバンニとカンパネルラが見たその黒い吸い込まれそうなモヤモヤとした黒い存在は、ブラックホールではなく、実は星が生まれている場所と考えられています。そのシーンのすぐ後に、ジョバンニはカンパネルラとの別れに気づくという、本当に胸が張り裂けそうな気持ちにもなるシーンとなるのです。でも、どこかで、この石炭袋と空の孔は、喪失感だけではないような、巡りめぐってそのさきに光が見えてくるような、そんな象徴にも思えてきます。
上演するたびに、私自身の中でも、この物語を通して見えてくるものが違ってきたり、新しく生まれる感情があったりと、「未完」である「銀河鉄道の夜」は、ますます魅力的に映ってきます。
上演後は、生徒さん達からの質疑応答の授業となりました。舞台には、女優の栗田さんと演出家の鵜山さんが上がり、日常的で実践的なものから哲学的な質問まで、楽しく、丁寧に答えていました。来年2月に、1年生が「銀河鉄道の夜」の草稿劇をすることもあって、作品に対する具体的な質問も多く寄せられました。
印象的だったのは、鵜山さんが、演出家として、自分が考える以上のことがバーンっと役者さんから出てきたときのことを喋っている中で、栗田さんは、役者として演出家から言われる以上のものを絶対に目指して行く、という心構えで、いつもお稽古や舞台に立つ、と言っていました。「慣れ」というものを一切つくらずに、頼ることなく、一つ一つ、これ以上できないと思うあのピリピリ感というか、全身全霊を込めたエネルギーの先に、やり遂げた後に感じる、やっと緩めることができる心地よさ…、だからこそ、日々の生活での態度や人間関係を意識しなが過ごす…うまく言葉に出てきませんが、それは、何歳であったとしても、プロとしてチャレンジをし続けることの意味を、改めて教えてくれたと思いました。
舞台芸術学院の皆様、素晴らしい機会をいただき、本当にありがとうございました。
生徒さんお一人お一人が目標に向かって、羽ばたいていかれることを、心から応援しています。
2021.10.29晩秋の北海道
昨日夜半は、あられと嵐のような風が天狗山から吹きました。
小樽の気温も、トレンチコートがぴったりな季節。
今年の紅葉は、鮮やかな赤が強くて、山吹色とのコントラストが最高です。
短くて貴重な晩秋の空気を、もっとゆっくりと楽しみたいところですが、明日からは、朗読「銀河鉄道の夜」の公演で、上京してきます。
今回は、演出家の鵜山仁さんが学長を務められる、東京・池袋にある、舞台芸術学院に通う生徒さん達に観賞していただくためのものとなります。とても光栄なお話で、鑑賞後は、女優の栗田桃子さんへの質問のひとときもあり、生徒さん達からどんな質問がくるのか楽しみです。
そんなスケジュールなこともあり、昨日は期日前投票に行ってきました。思いがけず、たくさんの人たちが投票にきていて、長い列を作っていたのでびっくりしましたが、どこか嬉しい気持ちにもなりました。今回の選挙は、どこか自分でも深く受け止めているというか、最高裁の判事の是非も、いろんな事案にどういう風に対応したかとか、興味を持って情報を探して自分の判断を決めることができました。投票率が上がることで、もっと自分たちの社会を見つめられるようになればと、一つ一つ行動しようと思います。
では行ってきます!
2021.10.18初雪前のドライブ
先日は、今秋、最初で最後のドライブに家族で出かけました。
この時期は、いつも蝦夷富士といわれる羊蹄山が絶景のニセコに、引き寄せられるように訪れることが多いです。暖かな太陽が照らす、ポカポカ陽気で、森からの風が吹くたびに、秋が深まっているような感覚になりました。
コロナ禍になってからは、ニセコのエリアもお店は閉じてしまっているところが多く、さみしい感じではありますが、広大な森が紅葉し、自然が生み出すエネルギーを静かにゆっくりと感じたひと時でした。
そして、一週間も経たないうちに、私の住む天狗山の麓では、昨日初雪が…。
それにしても、北海道は何て秋が短いのでしょう!あともう少しだけあのポカポカ陽気を感じたかったですが、冬の空気が入ってきた小樽は、冬支度が始まりました。
明日は、お庭のギボウシを綺麗にカットして、紅葉の木たちを冬囲いしようかなと思います。
まだ、小さな秋がたくさん周りにあるみなさま、ゆっくりとお楽しみくださいね。
2021.10.11札幌公演を終えて
昨日、10月10日、シアターZOO企画 朗読・「銀河鉄道の夜」が終演しました。
9日から続けて3回公演を、本当にたくさんの皆様にご来場いただき、ありがとうございました。
劇場を後にされてからも、沢山の方々が、ご感想をすぐにおよせくださり、皆様それぞれが、銀河の旅を終えたあと、いろんな気持ちを抱いて、劇場を後にされていたことを想像しながら、胸がいっぱいになりました。
宮沢賢治の未完とされる「銀河鉄道の夜」は、私たち日本人のほとんどが、一度は名前を聞いたことがあったり、じっくりと読んで見たり、一度知った瞬間から、静かに心にずっと宿り続けるというか、作品と個人的な関わりがそこにできて、不思議で魅力的な作品だと思います。
そして、この作品を、これからも、一緒に創り上げていく素晴らしいプロフェッショナル達。
栗田桃子さんと二人で歩み始めた、このMilky Way Projectの銀河鉄道の世界観を、リードして下さる、演出家の鵜山仁さん。
音楽で世界をこんなにも繊細なタッチで包み込んでくれるFrank Weber氏の音楽。
照明の阪口美和さん、映像の浦島啓さんと大林知城さん、音響の日下部麻里さんと金子幸世さん、演出助手の谷こころさん。スタッフの皆さんの、愛情に溢れたセンスと技術。
心にあるものを捉えポスターにしてくださった、グラフィックデザイナーの倉橋寛之さん。
そして、札幌の地を踏むことができるきっかけを作っていただいた、山本さんと北海道演劇財団、シアターZOOのスタッフの皆さんに心よりお礼申し上げます。
北海道に種を植えて、皆様と共にゆっくりとじっくりとこの作品を育てていけるように、また今日から精進して頑張って行きたいと思います。
ありがとうございました。
2021.10.9朗読・「銀河鉄道の夜」初日の朝
一昨日の東京の地震は、一夜をあけても都内の交通機関に影響を及ぼしました。
そんな中、なんとか無事に北海道の地を踏んだ東京チーム。
ゆっくりと一息もつかずに、昨日は一日、劇場の仕込みとリハーサルが夜まで続きました。
シアターZOOさんは、90座席程のこじんまりした劇場で、お客様と、「銀河鉄道」の列車の旅に、実際にご一緒しているような感覚になる印象です。
今回は、様々な状況を踏まえた、感染防止の観点から、大幅に収容人数を減らしての公演となりますが、その分より安心で、ゆったりとした気分でご観覧いただけるかと思います。
今日はいよいよ公演初日。昼と夜、2回の銀河の旅です。
本当に若干数ですが、当日券もご用意しておりますので、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、直接会場にお越しくださいませ。
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