Jun's Light

Jun’s Light | the beauty of transience

ブログBlog

2021.11.12秋の終わりに

今年の秋は、とにかく雨が多くて風も容赦なく吹くのに、周りの木々は、なんとか1日でも秋が長く続くように、落葉せずに踏ん張ってくれているような、そんな日々が続いています。でも、さすがに、今週はじめの強風と豪雨の中、新千歳空港まで、朗読「銀河鉄道の夜」のMikly Way Projectのパートナー、栗田桃子さんを迎えに行った時は、今まで経験したことのない冠水状態の札幌をドライブしました。道路が水で鏡のようになって、端の車線に冠水で寄ることができず、やっぱり、地球で何かが大きく変わりつつあると実感していました。

高校時代、私が東京から北海道に移住したこともあって、ほんの少ししか一緒にいなかった彼女と、20年もすぎてからこうしてクリエイティブパートナーになることは、二人とも全く予想していなかったけれど、2016年に、初めての東京の個展に来てくれてから、何か二人で一緒にできないか…がはじまりとなって、二人でこのプロジェクトを少しずつ育ててきました。今年、コロナ禍にも関わらず、たくさんの方々の温かい応援の元、京都、札幌公演に続き、東京の舞台芸術学院での上演、そして、このクリスマスイブとクリスマスの日に、岩手・盛岡公演が決まりました。(盛岡公演の詳細は近々このHPでお知らせいたします)

公演の期間中は、なかなか二人でじっくりと反省会や打ち合わせもできないので、この時期に、彼女が北海道に来てくれることになりました。話し合いをしないといけないから、「せっかく小樽にいるのに、海をちょっとしか見せてもらえなかった!」と文句を言われながら(笑)、近くの海の見えるベーカリーに行ったり、お家で我が家のセキセイインコのルルを頭に乗せながら打ち合わせをしました。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は、未完だからこそ、時空を超えて私たち日本人の心に、様々な形で、また形を変えながら響く作品だと、回数を重ねるごとに思わされる気がします。そして、栗田桃子という読み手を通して、私たちに、小さい頃に戻って、それから年取っていく自分の姿をイメージする感覚というか、いろんな想像力が疑似体験となって心に残る作品だとも思います。一つ一つを丁寧に、「努力は裏切らない」と彼女が言った言葉を、改めて胸に刻んで、また創作活動に励んでいきたいと思いました。

TOP