Jun's Light

Jun’s Light | the beauty of transience

お知らせ News

2023.11.1冬展『Dis-entanglement ~ディスエンタングルメント~』のご案内

もつれたものを
静かに
穏やかに
ときほぐす世界… Dis-entanglement

今年も、オートクチュール刺繍&アクセサリーデザイナーの宮平桐さんと二人で、クリスマスを前に冬の展示会を開催いたします。
今年のテーマについて、初夏からずっと二人で考え話し合ってきました。

混沌としている世の中を生きる私たち。
特に、コロナ禍の変化が目まぐるしい様々な状況下で、私たち一人ひとりが自分自身に鏡をあてながら、今までとこの先をじっくりと考えた年月でもありました。

自分の中にある混乱や迷い、不信感や自信の喪失、人間関係の難しさ、かけがえのない人の再認識。。。
いろんなことが絡み合って出てくる結果、答え。また、絡み合ってしまったために失うもの。
自分自身の弱さが故、人からこれ以上なく感じる無条件の愛。

「もつれたもの」は、悪いイメージになりがちですが、もっとニュートラルに、自分自身を、静かに穏やかにときほぐしていくようなイメージ…。

桐さんと私が表現しようと取り組み続けている、これまでの共通のコンセプト:
「Silence 不動なるもの」
「GATE ゲート」
「Gentle Transformation 柔らかに変わる、変わっていくもの」
「Courage 芯を守る勇気」からつながった、
今回の「Dis-entanglement ディスエンタングルメント」。
精神的な肯定感と、時間軸もスローダウンさせて、この冬のときを過ごしていただきたい…。

夏に桐さんのご実家がる道北の名寄に二人旅をしたときに、シャワーのように浴びた北の森林からもらったどこまでも続く無数のグリーンカラー。あの「包み込まれて」「ときほぐされる」感覚を載せた作品を、この冬展で皆様にお届けできますように。
雪の舞う札幌で、皆様にお目にかかれるのを楽しみにしています。

2023.10.28かぼちゃと鰊のパイ

先日ブログを書いてから、少し時間が経ってしまいました。

パレスチナとイスラエルの残虐さ。
その後ろで、ニュースにも出てこない長期的な紛争や天災に苦しんでいる無数の人々。
しばらく、言葉が出てこなくなっていました。

二、三日前に、CNNで、ヨルダン王妃がインタビューを受けているのをみました。パレスチナの血を引いている彼女は、一般的な西側諸国のパレスチナの人々に対する理解の不平等を訴えていました。パレスチナのお母さんたちは、世界のどの国のお母さんたちとも同じだと。

平穏に暮らして風邪を引いている娘に、かぼちゃと鰊のパイを焼いている自分。

これだけ歴史を学び、自分もその歴史の一部になっていることに、どんよりと浮かんでくる罪の意識。

目の前の制作に集中して、命が映る灯りをたくさん創っています。

2023.10.17秋を慈しむパーティー開催〜イタリア料理とキャンドルの灯り〜

約4年ぶりとなる、イタリア料理研究家のオッティモ・高橋やすこさんとのキャンドルナイトパーティーを、先週末小樽の我が家で開催しました。

長いブランクの間、やすこさんとお会いするたびに、いつかまた開催できたときは、こんな感じにとか、お客様がどんな気持ちで過ごされていくかをいろいろな角度から想像しながら、じっくりと二人で温めてきました。

写真のキャンドルは、やすこさんの学びの原点、イタリアの大地と食事、人々と文化の普遍的なものに敬意を込めて、カラー、大理石のような質感に銅のようなピンクのようなゴールドをあしらいました。そして、雪虫が飛ぶ、秋深まる肌寒い北海道の気候を、心温まってほしいと思い、ウールベージュをベースにした灯りとなりました。

パーティー当日を、私たちも忙しくなるのは承知で、少しでもホッとする瞬間を作ったのも、お客様をゆったりとお迎えするための大切な時間。
2016年の初回はお客様として、2回目からは、大切なアシスタントとしてサポートをしてくださっている、眞理さん(右)とやすこさん(左)と束の間のゆったり昼食。その日は、なんとも爽やかな秋風とポカポカ陽気の太陽が照って、気持ちも清々しくスタートしました。

昼食後は、それぞれ準備スタート。私は、テーブルセッティングを各部屋つくっていきました。

セッティングに使ったお皿の数々は、どれも、亡くなった母が、大事にコレクションしていたもの。特に母が大好きだったイギリスのウェジウッド社の陶磁器を中心に柔らかい印象にコーディネートしました。少し喜んでくれたかな…。

やすこさんと眞理さんの準備の様子。

夕方が近づき、日も少しずつ陰っていく時間。キャンドルをどんどん灯していきました。

ドリンクバーもだんだん充実してきました。

現在北海道立近代美術館にて開催中の「近代日本画と北大路魯山人展」のために制作した魯山人の行灯をモチーフにしたキャンドルにも火を灯しました。


今回のドルチェはあかねリンゴのタルト。やすこさんお手製のシロップは全てりんごからの色!チークカラーのような透明な乳白色のピンクで仕上げます。

すっかり日も落ちて、みなさんをお迎えする時間となりました。
今回は、初めてお食事までの時間、ゆったりと各々の時間を過ごしていただきたいと、一時間早めにオープニングしました。

ウェルカムドリンクや、やすこさんお手製のあんバターのクラッカー、果物やフィンガーフードをお楽しみいただきながら、初めましてのお客様同士も、自然に打ち解けていっておられる様子でした。

我が家のセキセイインコのルル(最近「君」であることがわかりました)ちゃんも美味しそうな匂いと温和な眞理さんの肩に飛んできて、癒してくれました。

さあ!これから色とりどりのお料理がどんどん並んで、テーブルは秋を慈しむ色に。

海から生まれた魚介の濃厚スープ。

前菜だけでも、14種類はあり、皆さん何度もテーブルをぐるぐるしていました。

ポルチーニと北海道キノコ、そして余市でやすこさんの契約農家さんの濃厚トマトのスパゲッテイー。

テーブルを囲み、食材のことや、素朴な疑問、お料理のとっておきのヒントなど、やすこさんから直に説明を受けることができるのもこのパーティーの醍醐味かもしれません。

秋の色! なんと綺麗なかぼちゃのリゾット。やすこさんお手製イタリアンソーセージが食欲をそそります。

今回のメインは、4日間赤ワインとブイヨンで煮込んだ釧路からの蝦夷鹿のお肉。
ごぼうがアクセントとなり、口の中で柔らかく溶けていきました。

デザートはりんごのタルトとブラックコーヒーをいただきました。
やすこさんのお料理は体を流れていくイタリアン。皆さん、口を揃えて、「どんどんたべらされちゃう!(北海道弁のたべらさる)」としきりにおっしゃっていました。

二日目の朝。
やすこさんと朝食をとったあと、やすこさんが取り掛かったのは、秋ならではの食材、「旅路」という種無し葡萄を生のままでフォッカチャの生地に練り込み焼き上げたもの。

レーズンパンは食べたことがあったけれど、こんなにフレッシュで葡萄の香りが広がるフォッカチャは初めてでした。

食を通して、灯りを通して、心とこころが近くなるひととき。
お家に帰られても、あの時に灯してお持ち帰りいただいたキャンドルにまた火をつけて、ゆっくりと思い出を振り返っていただけましたら幸いです。

ご参加くださいました皆さま、小樽の山奥まで足を運んでくださり、本当にありがとうございました。

また次は雪あかりのシーズンかしら。。。またお会いしましょう!

2023.10.7男5人・チームAlquestからのビデオクリップ

5月に出発した、世界一周チーム、Alquest 男5人の世界一周 ラーニングジャーニーからのデイリーレポート。トルコ〜ギリシャ〜東欧諸国を経て、現在、北欧に入りました。


トルコ・カッパドキア


地震で街が崩壊してしまったトルコにて。ここでは、隠岐島の高校の時に留学生だった友達のお宅に滞在しました。


物価も日本より安いハンガリーの街


ポーランド・クラクフにて。写真は、映画「シンドラーのリスト」のオスカー・シンドラー氏が建てた工場。


クラクフに点在する、ゲットー跡。

先日メンバーの一人でもある息子が、単身ハンガリー〜チェコ〜ポーランドを巡っている時に連絡をくれました。
歴史的にも様々な苦難を乗り越えてきている中、街づくりという点で、日本の再開発との違いを感じました。それは、年数が経つほど、住宅や公共施設の価値を上げていこうとする取り組みを国をあげてしているからかもしれません。以前個人邸宅だった施設を市が図書館に生まれ変わらせたり、商業施設と一般住宅がそれぞれの建物の歴史を守っていく前提で、人々のライフスタイルが構築されているような雰囲気が伝わってきました。

近代の日本では、特に住宅に関して、「経年劣化=価値がなくなっていく」という概念が私たちの中にあると思います。空き家や放置された家々、施設を小樽で歩きながら思うのが、一番小さな単位で、住めば住むほど、訪れるほど、建物に対する愛着や価値を高めていこうとする意識が、個性あふれる街の発展と存続に直結しているのではないかと思うこの頃です。日々のお掃除の仕方や部屋での過ごし方が頭に浮かびました。

さて、アルクエストのメンバーは、滞在先、移動中に今回の旅をビデオクリップにまとめてYouTubeから配信しています。
見たままを、感じたままを楽しく若いエネルギーで伝えてくれていますので、ご興味ある方は覗いてみてくださいね。

カンボジアでのアンコールワット遺跡レポートはこちら↓↓↓
アンコールワット遺跡

そして、最新の続編ビデオクリップはこちら↓↓↓
ベンメリア遺跡

また、彼らが今まで撮った記録は、国ごとにこちらのインスタグラムにて紹介されています。

地球が、生体的にも哲学的にも悲鳴を上げているような感覚の中で、彼らの目を通して世界の様子を見ることはとても勉強になっています。

2023.10.2小樽運河100年・特別企画のご案内

今年は、小樽運河100年の節目。

秋も深まる11月の初めに、旧三井銀行小樽支店における特別企画「重要文化財パーティー」にて、空間演出を小樽の花売業Kusaさんと共に装飾させていただくことになりました。

文化芸術を軸に、これまで築かれてきた小樽から、未来へ歩む街を考える貴重な機会になるように、精一杯取り組みたいと思います。

ご参加興味のある皆様、詳しくはこちらをご覧ください。

2023.9.29美唄で広がる食文化。繋がっていく、友情。

9月も最終週。
先日は、美唄にて、イタリア料理研究家の高橋やすこさんによる、初めての料理教室が開催されました。

夏のFrank Weberプライベートライヴ in 美唄のアフターパーティーの軽食をやすこさんにお願いしたことをご縁に、お知り合いになったみなさんを中心に、美唄のマダムたちが一挙集結。楽しいひとときとなりました。

やすこさんの料理研究家としての魅力の一つは、その土地に根ざした食材に対する深い好奇心と、尊厳を持ったアプローチ。
美唄の食材の魅力も、改めてやすこさんから色々な感想や発想が次々と出てきて、マダムたちも感激されていました。

乾杯!!!!

美唄は、私の北海道における第二の心の故郷。
ピアニスト、奧山幸恵さんとは、20年来の友情を育んできました。
もう今は亡き、幸恵さんのご両親にも、子供たちも含めて、手を広げていつも包み込んでくださるような素敵な関係を持っていただいていました。幸恵さんのご自宅で、ご参加くださった皆さんとやすこさんプロデュースの食卓を囲み、喜んでくださっていたらいいな。。。と思いながら、窓から差し込む明るい日差しを感じていました。

2023.9.18開幕「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展 — 和の美、再発見。」

7/16の土曜日。
いよいよ、足立美術館所蔵、近代日本画と北大路魯山人展が開幕する日。
早朝から小樽を出て、札幌で宮平桐さんと待ち合わせ、展覧会の開会式に出席してきました。

来賓の方々からの言葉とテープカット。開幕の瞬間に立ち会えて、光栄な気持ちと同時に気が引き締まる思いに。

その足で、展覧会に吸い込まれるように入っていくと、足立美術館所蔵の作品の数々が、静かに迎えてくれました。
一つ一つが、ゆったりと展示されていて、明治、大正、昭和の時代にタイムスリップしました。近代日本画では、特に、当時、女性がどのような感覚で日常を送っていたのであろうかと、想像を掻き立ててくれる作品が多くあり、絵画の女性像の眼差しの数々に、すっかり心を奪われてしまいました。また、当時の画家たちが注視していた自然の情景描写にも、大変感激しました。葉っぱ一枚一枚に魂が宿っているというか、そこにも画家の心情を繊細に載せていきながら全体像を捉えていく世界観。本当に素晴らしかったです。
おそらく、あまり瞬きもせずに凝視し続けていたのでしょうか、半分きたところで、しばらくソファーに座って放心状態になった感じでした。そこから幕開けする、魯山人の作品群は、すでに自分の咀嚼キャパシティーを超えていたので、10日後の次回に持ち越しました。

会場では、今回の美術展の特設ミュージアムショップが併設されています。そこで、この展覧間にちなんだ、宮平桐さんと私の作品もご覧いただけるようになっています。

宮平桐さんのブローチ3種類。いずれも、彼女のスペシャリティーでもあるオートクチュール刺繍の作品です。
桐さんは、現在大通りビッセの2FライフスタイルショップYUIQさんにて、秋展も開催中。
美術館巡りと合わせて是非訪れてみてください!

会場では、このほかにも、アートステーショナリーの数々や、足立美術館が佇む、島根県の魅力的な特産物がたくさん販売されています。
島根県の和菓子は、会期中変わるそうですのでお楽しみに!

皆様、この秋は、是非北海道立近代美術館まで足をお運びくださいね。

札幌テレビ放送・創立65周年記念
「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展
— 和の美、再発見。」

2023年9月16日(土)〜11月12日(日)
北海道立近代美術館

島根県の安来市にある、四季折々の日本庭園でも名高い足立美術館コレクションから、竹内栖鳳、横山大観、上村松園、伊東深水などによる近代日本画と、美食家としても知られた魯山人の器の数々が展示される予定です。

展覧会に関する情報は、こちらからどうぞ

2023.9.10展覧会の灯り#3「扇の恋文」

展覧会の灯り、三作目は、

「扇の恋文」です。

上村松園作、うぶで可憐な朝顔日記のヒロイン、「娘深雪」。恋文が書かれた紫の扇。二人が出逢った場所を暗示する葦の葉をモチーフに、離れた相手を想う灯りを創りました。

秋の紫色は、心を沈めてくれるのと同時に、深めてくれる色でもあると思います。
展覧会まであと1週間を切りました。
足立美術館所蔵の宝物たちに出会えるのが、今から本当に楽しみです。

札幌テレビ放送・創立65周年記念
「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展
— 和の美、再発見。」

2023年9月16日(土)〜11月12日(日)
北海道立近代美術館

島根県の安来市にある、四季折々の日本庭園でも名高い足立美術館コレクションから、竹内栖鳳、横山大観、上村松園、伊東深水などによる近代日本画と、美食家としても知られた魯山人の器の数々が展示される予定です。

展覧会に関する情報は、こちらからどうぞ

2023.9.8製作ウィーク

今週は、いよいよ来週末から始まる北海道立近代美術館における展覧会に向けて、製作と仕上げの日々となっています。
特に、「慈秋」と題した、秋めく足立美術館の庭園と魯山人の「雲錦鉢」をモチーフにしたキャンドルは、工程が何段階にもなることから、1日があっという間に過ぎてしまう感じです。

この写真は、キャンドルの本体が出来上がってから第一段階目の絵付け。足立美術館の庭園を望む「生の額絵」を描きました。

そして、今度は紅葉を一枚ずつ描いていきます。灯りをともした時に、紅葉が舞踊のように映ることをイメージして描きました。絵付けに使うものはロウを染色して描いていきます。

描く時は、きっと私は息を止めているのかもしれません。老眼が始まっているので、最近はメガネが欠かせませんが、どっしりと疲労感が押し寄せてくるので、一時間半ずつのペースで区切りながら描いています。30分の休憩の時には、頭を空っぽにするのに、お洗濯か、お庭の雑草を抜きに行くと、すっかりリフレッシュ!創作と家事を組み合わせると、これがなかなか癖になるのです。

STV創立65周年記念
足立美術館所蔵
近代日本画と北大路魯山人展
ー 和の美、再発見。

2023年9月16日(土)〜11月12日(日)
北海道立近代美術館


展覧会に関する情報は、こちらからどうぞ

2023.9.1展覧会の灯り#2「慈秋」

今日から9月。
小樽はしっとりと雨が降っていて、昨日の暑さからは少し解放されています。

今月初めは、足立美術館所蔵の展覧会に向けての制作が続きそうです。

展覧会の灯り#2「慈秋」

足立美術館の「生の額絵」から望む庭園と、魯山人の「雲錦鉢」。創設者・足立全康による、心血を注いだ日々の繊細なる庭づくりと、「器は料理の着物」という言葉を残した魯山人に敬意を込めて、紅葉舞う秋の灯りを創りました。

キャンドルに描く紅葉は、全て手描きになります。
日本画に使われる面相筆を用いて、魯山人の細密さと大胆さを少しでも表現できればと取り組んでいます。
16日は開会式。それまで頑張ります!

札幌テレビ放送・創立65周年記念
「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展
— 和の美、再発見。」

2023年9月16日(土)〜11月12日(日)
北海道立近代美術館

島根県の安来市にある、四季折々の日本庭園でも名高い足立美術館コレクションから、竹内栖鳳、横山大観、上村松園、伊東深水などによる近代日本画と、美食家としても知られた魯山人の器の数々が展示される予定です。

展覧会に関する情報は、こちらからどうぞ

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