2023.8.29展覧会の灯り#1「日月行燈」
展覧会の灯り#1「日月行燈」
北大路魯山人がデザインした行燈(あんどん)をモチーフに、そのものを一つの蝋燭として製作しました。
「展覧会の灯り」は、主催者のSTV札幌テレビ放送事業部の方と、2009年の札幌芸術の森美術館で開催された「クリムト・シーレ展」から始まりました。時代を超えて、国境を超えて、今も大切に受け継がれ、人々の心を動かす作品と、それを生み出した芸術家たちの人生の物語や伝えたかったことを、展覧会のテーマとともに捉え、感動しながら製作しています。
「展覧会の灯り」をつくることは、来場者のみなさまが、お家に帰ってから、灯りに火をつけて、美術展で思いおもいに感じたものをゆっくりと振り返っていただけたら…とのアイディアで始まりました。キャンドルの灯りが思い出を照らす、一つの形です。これまでの展覧会の灯りをご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
札幌テレビ放送・創立65周年記念
「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展
— 和の美、再発見。」
2023年9月16日(土)〜11月12日(日)
北海道立近代美術館
島根県の安来市にある、四季折々の日本庭園でも名高い足立美術館コレクションから、竹内栖鳳、横山大観、上村松園、伊東深水などによる近代日本画と、美食家としても知られた魯山人の器の数々が展示される予定です。
展覧会に関する情報は、こちらからどうぞ。
2023.8.27初☆二人旅(その二)
二日目の朝は、快晴!
気温は8時の段階でもう30度を越えようとしていました。
盆地に位置する名寄でも、例年はお盆を過ぎると秋の風が感じられるそうですが、今年は、猛暑続きで桐さんのお母さんも「こんなの今までなかったわよ」とおっしゃっていました。
午後になるともっと気温が上がりそうだったので、午前中に名寄巡りをしました。
名寄神社と公園が隣り合わせのエリアは、名寄の東側に位置していて、天塩川の西エリアとはまた雰囲気が違いました。
雨上がりだったのもあって、緑の公園が濃い湿度を放っていましたが、なんて美味しい空気!見ると、木々も力強く、足元の草原も立派なキノコやアリさんが一気に活動的になっているようでした。小川のせせらぎが池に伝わって、見事な蓮の花をオニヤンマが優雅に飛んでいました。
神社にお参りに行ってから、その足で桐さんの母校巡り。高校は新設されていましたが、中学校は当時のまま。名寄は冬はマイナス25度は当たり前になるので、桐さんの話では、当時は制服の下にジャージを着て、オーバーコートとブーツを履いて学校に行っていたそうです。心も体も強くなるわけですね!そのあとは商店街で桐さんが親しくされているお肉屋さんやお化粧品屋さん、近くの西條デパートに歩いて行ったり、名寄のまちを満喫しました。碁盤の目の街なので、わかりやすくて、少しは初めての方をご案内できるくらいになったかも!
暑くてヒイヒイ言いながらお家に逃げるように帰ると、待っていたのはお母さんのお昼ご飯。私からの強いリクエストで、いつも通りのお昼が食べたいと言っていたので、こちらになりました。
これはただ単なるマルちゃんラーメンではございませんで、餃子入りラーメン!なんて幸せなのかしら!
その日はゆっくりお家で高校野球を見て、楽しい野球の魅力を親子からしっかりレクチャーを受けて、なんだかいろんな楽しみが一気に自分に入ってきてとても豊かな気持ちになりました。
時間はあっという間に過ぎ、次の日はもう帰る日。
あまりにもゆっくりのんびりとデトックスさせていただいたので、桐さんのお母さんには、本当にお世話になりました。
また今度は札幌で…と、名残惜しい気持ちを抑えながら出発。目指すは士別サフォークしずお農場。
私たちが以前ご縁をいただいた農場の方に連絡がついて、併設のペコラキッチンで貴重なホゲットの羊肉をいただきました。
ホゲットは、ラムとマトンのちょうど中間くらいですが、実はジンギスカンが苦手な私でも、「本当にこれが羊肉!?」というくらい特有の匂いはなく、なんとレバーやハツといったホルモンまでお塩だけで美味しくいただくことができました。
広大な牧場には普段いるはずの羊さんたちは、軒下に固まって暑さを忍んでいるようでした。牧場を望むキャンプ場は、プライベート感たっぷりで、夜の星空はどんなに綺麗だろうと想像しながら足を進めました。
すっかりリフレッシュした二人。
大自然に暮らす人々と、そこから生まれる産物のクオリティーの高さに感化されて、帰りの道中は「よーし、明日からまた頑張ろう」が合言葉となっていました。
数え切れないほどの緑に触れた三日間。
冬の桐さんとのコラボ展に向けて、心のキャンバスが豊かになった気がしました。
桐さん、そして桐さんのお母さん。
忘れられない夏の想い出をありがとうございました。
2023.8.25初☆二人旅(その一)
もう一年以上も前から計画していたのに、なかなかタイミングが難しくて、やっと今年の夏に叶った二人旅。
長年の仕事のパートナーでもある、宮平桐さんと彼女のご実家がある道北地方の「名寄」に、二泊三日のプランでドライブしました。
もうすぐ生きてきて半世紀になるけれど、その中でいつも私の中で大事なのは、大切な人のルーツを知ること。桐さんとは、お仕事を通して年を経るごとにお互いの精神性を安心してシェアして表現活動を共にできるようになりました。それでも、いつも会話に出てきた彼女の出身地、名寄は、いつかきっと訪れたい場所として、私の心にありました。
旅の初日。小樽を6時に出発したのはいいけれど、まさかの雷付きのざんざんぶり。雨雲が札幌に向かうのと同じくらいのスピードで、桐さんの札幌のお家に到着。旭川経由で道北稚内に向かいました。比布(ぴっぷ)まで高速でしたが、その後のバイパスも含めて、道北の中央分離帯は、なんて素敵なのでしょう!無機質なアスファルトで終わらない、中央分離帯自体が高くとど松が果てしなく生い茂っていて、深い森の中のハイウェイを進んでいるようでした。稚内に向かう草原は、私たちが勝手に名前をつけた「天から降ってきたラムネ」のように、ロールされた牧草があちこちに無造作にあって、圧巻でした。
初めの目的地は、キャンドルを製作しながら絶景の中カフェを営んでいらっしゃる、Cafe Kiraさんへ。いつも私の個展に稚内からお出かけくださり、いつか伺いたいとずっと思っていました。念願叶って店内に入ると、高い吹き抜けと、全面に広がる丘を望める、本当に素晴らしいロケーションでした。伺った日は、あいにく曇っていましたが、晴れた日は、利尻富士が望めるほどの景色だそうです。
同じキャンドルを製作する者として、お互いに表現したいものを大切に、温かい気持ちで取り組めることはすごく幸せなことだと思います。店内にはご希望の方にはキャンドルも自由に選べて灯してくださるので、プライベートな時間を過ごすことができます。
深煎りコーヒー、体に沁みました。
北上した私たちは、桐さんのお母さんが待つ、名寄まで南下。道がとても走りやすくて…というより、深い森の木々たちに、「それにしてもあなたたち、よく喋ること」と言われているのではと思う位、170Km強のドライブがあっという間の到着でした。道中は、天塩川の雄大さとその周りに広がる山々、ジャガイモや稲やそばの丘がパッチワークのように広がっていました。
初めての桐さんのご実家。本当に久しぶりに桐さんのお母さんにお目にかかれて、小樽からの大八栗原蒲鉾を早速旬のささげと一緒に煮込んでくださいました。「お母さんの味」に、思わず胸がいっぱいになりました。
博学で、名寄の芸術文化を深めようと力を注がれていた、いまは亡きお父様のご慰霊にもご挨拶でき、お家のあちこちに飾られている北欧文化圏のもの、北海道の民藝文化の象徴のような作品の数々、そして私自身育った時にたくさん読んだ絵本が大切に保管されていました。「日々の暮らしを通して、本物を理解し深めていく」
初日で、もうお腹いっぱいになりました。
次回に続く
2023.8.16初☆一人旅
お盆明け。
小樽は、日中30度を超えて、とても蒸し暑い日となりました。
お昼過ぎから、市内の歴史的建造物の中で打ち合わせだったので、大勢の観光客の皆さんに紛れて、街をしばらく歩いていました。
小樽は、連日世界中から本当にたくさんの旅行者が訪れます。小樽MUSEも、韓国のカップルやご家族づれが多く、最近は海外からのご予約も増えてきました。タッチアンドゴーで小樽をざっと観光するのも一つのやり方かもしれないですが、私たち小樽市民のお店や様々な施設一つ一つがもっと個性を磨き、「ならでは」のアイデンティティーを創り出していくことで、街そのものが短時間では到底感じることのできない、「滞在型」の場所になっていけるのではと思って、微力ながらお膝元の地域での活動に力を注いでいきたいと思っているこの頃です。
旅といえば、先日18歳になった娘が、仙台に初めての一人旅に出かけました。二泊三日の短い期間ですが、大学見学に合わせて、自分で調べた仙台の街をゆっくり歩きながら、夜はホテルでお勉強と、大学の受験の予行練習も兼ねることになりました。お小遣い張もつけたりとか、いずれ一人で生活していくことをイメージしながら、自由な気持ちで楽しんできて欲しいと思います。夕方にホテルにチェックインして、電話をかけてきて顔を見ると、そこには彼女(私も)がクレイジーなくらい大好きな「ずんだシェイク」が!お昼には、もう「牛タン」を一人で食べに行ったそうです(笑)。こうして、少しずつですが、薄皮を剥ぐように子供達が自分の元から離れていき、独立心を持って行動できるようになるための第一歩を見ると、胸がいっぱいになります。同じ屋根の下で、お互いに頑張ろう!と言い合ってきた意味がもっと深まる気がして。
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写真は、娘が2歳の頃。16年前!?
2023.8.11お盆を前に思う事
連日猛暑続きの日本列島。
本州の皆様、お元気にされていますでしょうか。。。
台風に、猛暑に、自然災害は世界各地で起こっていて、もうちっとも映画の世界ではなくなりました。
今年のお盆の入りは13日とのこと。小樽の我が家の近くにある市立霊園も、車の列が多くなってきました。車のナンバーも、フェリーポートから直接小樽入りされたのではと思うくらい、全国津々浦々からと、お盆らしくなってきました。
そして、もうすぐ終戦記念日。
小さい頃から、母が、8/6,9,15になると、必ず、「本当はね、今日は梅干しとご飯だけにするべきなのよね。白いご飯も、当時は食べれなかったのだから。」と、言いながら、食事を準備していたのを思い出します。東京だっだから、夏もそうだし、3月の東京大空襲や、9月の関東大震災の時も、同じような会話が家庭でありました。
時は過ぎて、アメリカで大学に通っていた時、北西部エリアの大学生のグループとしてロンドンに半年間、留学する機会を得ました。単位も交換できるし、せっかくだから、ヨーロッパの歴史を選択しようとヨーロッパ近代史の授業を取りました。グループとしても、40名近くのアメリカ人の生徒の中に、私だけ日本人でした。その年は、ちょうど戦後50周年のD-Dayパレードもロンドンで企画されていた年で、多くの注目は、そのパレードに敗戦国のドイツを招くかどうかでした。授業でも、様々なディスカッションが交わされる中で、日本に対する原爆投下に関しては、まさに正当性のあるもので、そのおかげで戦争が終わったという認識のクラスメートがほとんどでした。
私にとっては、とてもショックな見解の連続で、自分の中で、このままマイノリティーだからという理由で、黙ってスルーするべきなのか短い時間でしたが、とても悩みましたが、受け身だけではなくてやっぱり何か言わないといけないという気持ちになりました。汗がじわっと出てきて、足はガクガク。でもこれは授業なんだから、素直な気持ちを述べればいいんだと思ったのを覚えています。日本人として、私が生まれる前の戦時中と戦後を想像しながら、私がそれまでに家族や社会に教えられる中で得た認識を訴えました。最後にいかなる理由でも、核兵器は絶対に無くさないといけないと言ったとき、涙が流れてきて、それ以降はあまり言葉になりませんでした。みんなの顔もどうだったかよく覚えていないけれど、クラスはシーンと静まり返り、教授も言葉を選びずらそうにまとめていました。その放課後、ルームメイトのアンジェリーとホストファミリーの家に帰る途中、「私のお母さんはタイ人でお父さんはアメリカ人でしょ。それぞれの国の認識をシェアすることは、とても大切だと思う。今日はクラスで言えてよかったよ!」と優しい言葉をかけてくれたのを覚えています。
そして最近、連載のある記事が掲載されていたのを読みました。日本人の精神科医でもある内田舞さんの経験は、私の大学時代に幾度も遭遇した経験と、とても似ていて、言葉で明確に、どう理解していけばいいのかを示してくださっていました。初めて、私も心のモヤモヤが少し晴れてくような感覚になり、とても救われた気持ちになりました。
今年の我が家のお盆のお花は、白から離れて、百合も菊も、蘭も、みんな紅の仲間にしました。
ヒバとあわせたら、夏でも暑苦しくなく、元気が湧いてきました。
2023.8.520年後のお別れ
8月に入った週初め、悲しい連絡がありました。
20年前、大丸札幌店のグランドオープニングを前に、私の師匠のEarth Light Candlesのキャンドルを7Fの「暮らしの彩り」にて常設することが決まり、初年度から様々なイベントに声をかけてくださった企画運営会社の元社長様の訃報でした。
今の私があるのは、その方のおかげで、まだ駆け出しの私をスタッフ皆さんと一緒に育ててくださった、大切な恩人です。
北海道の暮らしにどうやったら彩りとしてキャンドルの灯りの文化を育んでいけるだろうかと、おおらかな気持ちでいつも見守ってくださいました。その温かで熱いスピリットは、年月を経て次の世代の息子さんの会社へと受け継がれていき、師匠の作品から私自身の作品に変わっても、17年間毎年必ずイベントを開催する機会を与えてくださいました。大丸さんを3年前に卒業した後も、今年3月に、開業20周年記念のイベントのスターターとしてお声をかけてくださり、久しぶりに7Fの売り場に立ち、この20年をゆっくりと振り返っていたところでした。
最後にお目にかかれたのは、5年前。大丸にて、宮平桐さんとの恒例のクリスマス展を開催中、私たちに会いにきてくださいました。
本当に久しぶりでしたので、思わず涙が溢れたのを覚えています。
桐さんと、二人で最後のお別れに伺えたこと。
心からの感謝の気持ちをお伝えしました。
ご冥福をお祈りいたします。
2023.7.27秋の美術展に向けて
今秋、光栄にも、新たな展覧会の灯りを制作することになりました。
札幌テレビ放送・創立65周年記念
「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展
— 和の美、再発見。」
会場は、北海道立近代美術館です。
島根県の安来市にある、四季折々の日本庭園でも名高い足立美術館コレクションから、竹内栖鳳、横山大観、上村松園、伊東深水などによる近代日本画と、美食家としても知られた魯山人の器の数々が展示される予定です。
展覧会の作品群をモチーフに、世界を広げながら、和の美しさのエッセンスを感じてもらえるような展覧会の灯りをお創りしたいと思います。また、今回はコラボレーティヴパートナーの宮平桐さんも、展覧会にちなんだアクセサリーを制作してくださいます。併せてお楽しみに…!
展覧会に関する情報は、こちらからどうぞ。
2023.7.22「サバーイ」
5月に出発した、世界一周チーム、Alquest 男5人の世界一周 ラーニングジャーニーは、連日いろんなことを訪れた世界から発信してくれています。
現在彼らは、ネパールからクエート経由でジョージアに滞在しています。
隣国は戦火。
様々な想いを巡らせながら、日常に感じられる小さな喜びをその土地の人たちとの関わりの中で見出そうとしているのが伝わってきています。
5月に初めてこのブログでご紹介した記事から、はや2ヶ月があっという間に過ぎて、二日前に、カンボジア滞在の記事がnoteにアップされました。
一期一会とは言っても、人とのつながりを、実質の「育んでいきたい、温かな」関係性や自身の精神性を未来に向かって進めていくのは大変なこと。でも、彼らの純粋な気持ちが、こうして振り返りながら綴られていく過程は、私たちに時間の流れを一瞬でもゆっくりにしてくれるかもしれません。
ここでは2つの記事だけですが、その他にも興味深い記事が盛りだくさんなので、ご興味のある方は色々ご覧になってみてくださいね。
「サバーイ」のヒントがここに。【カンボジア Sambor village hotel】
メンバーの一人、権藤有作くんのレビュー「海士町ぶりの安心感」
先日写真を振り返っていたら、息子が4年生の時の写真が出てきました(笑)本人曰く、「濁点の位置を間違えてた時から、よくここまで来たもんだ」だそうです。この世界一周のメンバーそれぞれでしっかりと自己紹介をしていますので、ちょっとだけパーソナリティーがお分かりになればと思い。。。
母x息子とはいえ、「子」よりは「個」としての関係性を育んできたような気がします。育てられているのか、育てているのか、でも時には心友になってくれたり、ただそばにいてくれたり。特にMUSEがオープンして数年間、足の怪我で入退院を繰り返していたのに、彼の家事・子育て能力のおかげで、どれだけ助かったか。いつも娘も「おにいに会いたい」と言っていて、家族みんなで、世界を旅して、たくさん吸収してきて欲しいと願っています。
2023.7.17「君たちはどう生きるか」
今日は海の日。
もう直ぐ18歳になる娘と、もう何年振りになるかしら… 久しぶりに映画館に映画を観に行きました。
「君たちはどう生きるか」。
まっさらの気持ちで、まっさらの自分の心のパレットに、物語が入ってくる。
なんて心地よいのでしょう。
固定観念から離れた、観る人それぞれのイマジネーションで、映画を受け止め咀嚼しようとするプロセス。
今の時代において、このようなアプローチで映画を提供してくれた宮崎駿さん。
創造する人たちと想像して観る人たちの心が近くなった気がしました。
2023.7.12真夏のアフターパーティー
北海道は真夏になりました。
連日気温も高め、気圧が不安定で雷さまがものすごい勢いで来ては去る感じです。
さて、七夕が過ぎた頃、気温も30度を超えて、夏の「圧」を感じるくらい熱い日に、Frank Weberプライベートライブが開催されました。
フランクの一年間の我が家でのホームステイももうすぐ終わりに近づく中、帰国の直前に有志によって企画されました。
“Intimate live”という言葉がぴったりな素晴らしいひととき。私もずっと目を瞑って、この1年間を振り返りながら、皆さんと静かで時にエモーショナルな空間を満喫しました。即興のジャズピアノの極弱音がたまらなく美しくて、ピアノという楽器の奥の深さを再認識させてもらいました。
そして、その後の懇親会。夏の夜を彩る灯りをご用意して、フランクと皆さんが心から楽しんでいるのを見て、とても幸せな気持ちになりました。言葉の壁があったとしても、最後は、お互いがコミュニケーションしたい、という気持ちが力になって、気持ちを共有できるんだということも、光景からとっても伝わってきました。写真は、その時のテーブルセッティング。ブルーベースで明かりを灯した時に透明感が出るように色をつくりました。
そして、今日はフランクの出発の日でした。
無事に東海岸行きの飛行機にも乗れたようで、家族でホッとしているところです。
我が家の高校三年生の娘は、一年のホームスティをを振り返って、「フランクさんが、初めてのネイティブの英語を話してくれる人で、とても勉強になってよかった」や、主人も「毎日が忙しくて、日常的に家族らしいことをあまりしてあげられなかったのが心残りだけれど、函館や積丹の旅ができたからよかったな〜、いつも家に帰るといてくれたから、いないんだ…と思うと、寂しいよね」など、少ししんみりしています。フランクも、日本での生活を振り返って、「たくさんの想い出がありすぎて、いま胸がいっぱいで言葉がでないよ…温かく応援してくれた全ての人に感謝の言葉以外見つからないよ…」と、出発の際に言葉を詰まらせていました。
函館からの津軽海峡を望むホテルで、ディナーバイキング!(目移りするものばかりで、フランクの大のお気に入りとなりましたw)
初めて、函館山にみんなで上がり、夜景を満喫しました。
こちらは、大沼公園にて。樽前山を背景に、ロータスの花が咲き誇る道をサイクリングしました。
2018年に初めて出会ってから、様々な形の創作活動を通して、この一年フランクとは、特に「共感覚」プロジェクトに取り組みました。個展における楽曲とアート作品の創作はもちろん、滞在中の文化活動の集大成として、小樽で活躍している日本舞踊家の藤間扇久華さんとのコラボレーティヴライブ「小樽の月」を先月開催できたことも、夢のような出来事でした。
小樽運河の近くで、藤間扇久華さんとフランクと帰国前に。
6月の小樽能楽堂にて「和を遊ぶ」のワークショップに参加。初めて足袋を履いて能舞台で能保存協会の方々から摺り足を教わりました。
帰国してからは、当面は新しいアルバムのレコーディングが待っているようなので、リリースされるのを心から楽しみにしながら、私も日常の創作活動に戻りたいと思います。アルバムリリースが決まりましたら、またこちらでもご紹介させていただきますね。
帰国直前の、芸森スタジオでのレコーディング風景。カメラマンの須田守政さんがレコーディングポートレイトを撮ってくださいました。ご縁に感謝いたします。
滞在中、たくさんの皆様からフランクへ応援をいただき、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
おまけの画像:the last supper….!! at 小樽MUSE
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