仁川からプラハ(チェコ共和国)への約12時間の空の旅が始まりました。
ヨーロッパへは、2007年以来でしょうか。最後は母がまだ元気だった時に、二人でイギリスとイタリアに滞在したことがありました。コロナ禍を経て、テクノロジーも20年のうちに確実に進歩して、どんな感じになっているのでしょう。もうトラベラーズチェックは昔の昔になっていました。
私のキャリアに関係して、今回ヨーロッパを選んだ大きな理由は、2009年からずっと関わってきている美術展覧会のお仕事で、「展覧会の灯り」を創ってきたことが大きくあります。初めて美術館のお仕事をいただいたのは、札幌芸術の森美術館における、「ウィーン世紀末 クリムト・シーレ展」でした。それからはミュシャ、ブリューゲル、ロートレック、キスリング、ロベール・ドアノー、バルセロナ展などに関わらせていただいたりと、展覧会が掲げる主題と芸術家の半生を学ぶ機会に恵まれました。
今回の旅で、全ては観れなくともその中でもプラハのミュシャ、ウィーンのクリムトに焦点をあて、彼らの人生の舞台となった街、建築物、歴史、人間関係をたどれればいいなと思いました。
初めてのアシアナ航空。出発してから第一回目のお食事の頃、お隣に座っていたソウルからのご夫婦と仲良くなりました。機内食のメニューを丁寧に説明してくださって、今回プラハには10年ぶりの旅行だと教えてくださいました。奥様は長年ソウルの大学で作曲を教えてこられた方で、ご主人も大学で広告デザインを教えてこられて何年か前に退職されたそうです。とっても仲の良いご夫婦で、プラハでの滞在も今回は11日の日程でゆっくり過ごすのよ〜と終始楽しそうでした。
飛行機のGPSは、中国大陸横断、中東からバルカン半島の小さな国々をどんどん超えていきました。
あと1時間ほどで到着というアナウンスが来た頃、アシアナ航空さん独自の体操プログラムが流れて、乗客が一斉にストレッチ体操を促されました。なんて助かるのかしら!体操をしていたら、だんだん高度が下がってきて、一面にチェコの農村地帯の菜の花畑のイエローが目に飛び込んできました。あと少しで着陸!
つづく