Jun's Light

Jun’s Light | the beauty of transience

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2023.11.26寒波到来

今週末は、いよいよ本格的な冬の到来でした。
天狗山の裾野でも、約30センチの雪が降り積もりました。それでも気温はパウダースノーには冬がもう少し進まないとならない感じで、雪も重たいのでこまめの雪かきが始まりました。

写真は、我が家の窓辺。4時には日が暮れるので、3時くらいからキャンドルを灯していました。
先日雪囲いをしたばかりで、一晩でもう雪国。つららも今日は軒下から長いものは50センチもあって、比較的長く楽しめた今年の秋も、冬の寒波でどこか遠くへ行ってしまったようです。

今日は、午後から小樽市民会館で、日本舞踊キャラバン北海道公演が開催。全国11ヵ所を、地元・北海道をはじめ、第一線で活躍中の日本舞踊家が出演し、全曲を邦楽演奏家による生演奏で上演されました。夏の個展でFrankと三人で創り上げた「小樽の月」のメンバーの一人、藤間扇久華さんが出演されるとのことで、私も足を運んできました。

なんて見事な舞踊と音楽なのでしょう!
日本の伝統芸能ならではの拍子と呼吸。単に形あるものを受け取って感じるというより、形にならない無数の芸術のエッセンスが集まって、それを全身で感じる時間でした。

振付を花柳智寿彦氏が手がけた「長唄・水仙丹前」にて、藤間扇久華さんの役どころは、繊細で微妙な男性の色気を感じる男役。ただただ勇ましいものでは決してない、なんともいえない品のある、それでいて暗にエモーショナルな立ち振る舞いでした。全ての演目が、修練の積み重ねで培った気品あふれる宝ものを観せていただいているようでした。クライマックスの「長唄・連獅子」への拍手喝采は、まるで歌舞伎座が小樽にあるようでした。

全ての演目を、わかりやすく解説してくださる司会者の方にも感銘を受けました。
初めましての方にも、日本舞踊ファンの方にも、楽しんでいただけるような工夫があちこちに散りばめられていました。小樽恒例の、「和を遊ぶ」の取り組みや、こういったアプローチの活動が、伝統ある文化芸術を現代に届け、未来に繋げていくんだということ。芸術のシャワーですっかり満たされたのか、雪道もいつもより美しく見えて、天狗山の家に帰りました。

2023.11.23小樽の「つららさん」

今日は勤労感謝の日。

小樽はこの間の冬の訪れ撤回のような初秋の陽気で、気温もぐんぐんと17度まで上がりました。
明日からは、本格的に冬の寒波が訪れるとのこと。
早朝から庭の木々の冬囲いを主人と終わらせ、明日から使うであろうママさんダンプとスノーシャベルをスタンバイ。
まだ頑張って生えているレモンバームやオレガノにも、「今年もありがとう、また来年ね。」という気持ちになりました。

さて、小樽の街の景色をつくる、素敵な花売業KUSAさんに、ワックスで創った「つららさん」が並びました。

今年は、光栄にもKusaさんと重要文化財パーティーで空間演出を共に担当し、その時にディスプレイしたつららをご覧になって、ご依頼いただいたのでした。

小さいものは、15cmから。
冬のオーナメントとしてもお部屋の空間を静かに彩ってくれるアイテムにと、Kusaさんならではのアイディアあふれるディスプレイもとっても素敵です。
ぜひ、小樽にいらした時は足を運んでみてくださいね。

2023.11.18テーパーキャンドルの陽気

11月も中旬を過ぎました。
冬支度が進む中、昨日の暖気で天狗山の雪もすっかり解けて、束の間ですが秋の陽気が少し戻りました。

キャンドルのアトリエでは、今週は特にハンドディッピングのテーパーキャンドルに取り組んでいます。ハンドディッピングとは、長いキャンドルの芯を蝋に浸してだんだん2~2.5cmくらいまで太らせていき長細い一本のテーパーキャンドルが出来上がります。テーパーキャンドルは、キャンドルホルダーに刺して灯すので、お食事の時などダイニングテーブルでもよく使われるタイプです。一本一本、全て手作業なので、温度管理とタイミングがリズミカルにならないと一度に何十本も創ることができないのがテーパーの性質でもあるので、まず体調の良い時で、同じ作業を4時間はできる時間の確保と、空気が乾燥した秋風の吹く陽気がベストということも、毎年の制作で体が覚えた感じです。

展示会に向けて、今年は様々なグリーンをメインにしたかったので、柔らかなアースカラーのトーンのコレクションを作りました。

特に、一番ダークなカーキ色のオリーブグリーンと雪のような光沢を加えた生成りのウール色は、今年のお気に入りとなりました。
オリーブグリーンは、お部屋が全体的にブラウンやベージュ、ウイスキーのコニャックカラーでが背景のお部屋にはぴったりかもしれないです。
生成りのウール色は、木やガラス、陶器など、どんな空間や用途にもマッチしてくれるので、ぜひお試しくださいね。

ではこれから午後の部。アトリエに戻ります。
素敵な週末を!

2023.11.12小樽は冬がはじまりました

昨夜半から北海道は冬景色となりました。
金曜日は最高気温が15度もあったのに、明る日には一番高くて2度。

天狗山の麓の私たちにも、雪との暮らしがやってきました。

今日は昼間からキャンドルを灯して、過ごしました。

全国的にも今週末は冷え込んでいる様子。皆様暖かくしてお過ごしくださいね。

我が家では、リビングにおこたつが登場。受験を控えている娘も教材を広げて、おこたつが棲家になっている感じです。

午前中のひと作業が終わり、お昼からバスに乗って運河近くまで「下がり」ました。自宅は山手なので、私の家族は市街地を「下界」と呼んでいるくらい。行きは坂を下って良い良い。帰りはいい加減続く坂道を、マラソンを練習しているように呼吸を均一にして登ります(笑)

今日まで、北運河第三倉庫で「Otaru Department」のイベントが開催されていたので、参加されている知り合いの方々を訪ねました。
写真にあるのは、その第三倉庫。小樽市に寄贈されて、これから街のシンボルの一つとして様々な形のイベントや取り組みが計画されている場所です。

小樽には、歴史が味方してくれる趣と、今ここに暮らす市民の小樽への熱い小樽愛が詰まっています。
その一員として、街を大事に想っていくことを自身の表現活動に活かしていきたいです。

2023.11.8重要文化財パーティー in 小樽

秋も深まる小樽。
11/3・4は、旧三井銀行小樽支店にて、小樽運河100年・特別企画「重要文化財パーティー」が開催されました。

今回会場の空間演出を小樽の花売業KUSAのフローリスト高橋さんと共に装飾することになり、荘厳な大理石カウンターと歴史的なタイルのフロア、そしてゲストの円卓を装花とワックスの創作物で彩りました。

ゲストの円卓を彩る、ロウで創作した六角形の花器と装花。

ステージでは、能やバレエ、ジャズピアノなど、小樽の文化芸能を担う方々がパフォーマンスしました。


天井からも伝わってくる、荘厳な雰囲気の会場、旧三井銀行小樽支店。

大理石のカウンター装飾は、下國シェフたちのお料理の盛り付けの場所を、白の大理石をイメージしたキャンドルと装花でアレンジ。

小樽の政寿司さんが腕を振るう背景のコーナーカウンターには、今回のお料理に合わせて創作された器の数々もディスプレイしました。山の恵みからつながる海の色の陶器、小樽で採れたニシンの骨や帆立の殻を吹きガラスに取り入れた器が並びました。

重厚なタイルが続くフロアでは、コーナーに当時の電話ボックスがあり、その前にインスタレーションをKusaの高橋さんと創り上げました。晩秋感じる木々と、小樽ならでは、大きな氷柱をイメージしたロウのオブジェを組み合わせライトアップしました。

バックヤードでは、すべての器を手洗いして、次のパーティーにスタンバイ。スタッフ一人一人が緊張感を持って、誠心誠意取り組みました。

ザ・チーム重要文化財パーティー。力を集結した素敵なメンバーたちとお仕事させていただけて幸せでした。

文化芸術を通して、これまで築かれてきた小樽から、未来へ歩む街を考える貴重な機会になりました。
ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。

最後におまけ。バックヤードにて。皆さんてんてこ舞いの忙しさの中、パティシエの方がケーキを提供してくださり、お誕生日のお祝いをしてくださいました。なんて温かなチームなのかしら。二日だけの職場がファミリーのように感じました。

2023.11.1冬展『Dis-entanglement ~ディスエンタングルメント~』のご案内

もつれたものを
静かに
穏やかに
ときほぐす世界… Dis-entanglement

今年も、オートクチュール刺繍&アクセサリーデザイナーの宮平桐さんと二人で、クリスマスを前に冬の展示会を開催いたします。
今年のテーマについて、初夏からずっと二人で考え話し合ってきました。

混沌としている世の中を生きる私たち。
特に、コロナ禍の変化が目まぐるしい様々な状況下で、私たち一人ひとりが自分自身に鏡をあてながら、今までとこの先をじっくりと考えた年月でもありました。

自分の中にある混乱や迷い、不信感や自信の喪失、人間関係の難しさ、かけがえのない人の再認識。。。
いろんなことが絡み合って出てくる結果、答え。また、絡み合ってしまったために失うもの。
自分自身の弱さが故、人からこれ以上なく感じる無条件の愛。

「もつれたもの」は、悪いイメージになりがちですが、もっとニュートラルに、自分自身を、静かに穏やかにときほぐしていくようなイメージ…。

桐さんと私が表現しようと取り組み続けている、これまでの共通のコンセプト:
「Silence 不動なるもの」
「GATE ゲート」
「Gentle Transformation 柔らかに変わる、変わっていくもの」
「Courage 芯を守る勇気」からつながった、
今回の「Dis-entanglement ディスエンタングルメント」。
精神的な肯定感と、時間軸もスローダウンさせて、この冬のときを過ごしていただきたい…。

夏に桐さんのご実家がる道北の名寄に二人旅をしたときに、シャワーのように浴びた北の森林からもらったどこまでも続く無数のグリーンカラー。あの「包み込まれて」「ときほぐされる」感覚を載せた作品を、この冬展で皆様にお届けできますように。
雪の舞う札幌で、皆様にお目にかかれるのを楽しみにしています。

2023.10.28かぼちゃと鰊のパイ

先日ブログを書いてから、少し時間が経ってしまいました。

パレスチナとイスラエルの残虐さ。
その後ろで、ニュースにも出てこない長期的な紛争や天災に苦しんでいる無数の人々。
しばらく、言葉が出てこなくなっていました。

二、三日前に、CNNで、ヨルダン王妃がインタビューを受けているのをみました。パレスチナの血を引いている彼女は、一般的な西側諸国のパレスチナの人々に対する理解の不平等を訴えていました。パレスチナのお母さんたちは、世界のどの国のお母さんたちとも同じだと。

平穏に暮らして風邪を引いている娘に、かぼちゃと鰊のパイを焼いている自分。

これだけ歴史を学び、自分もその歴史の一部になっていることに、どんよりと浮かんでくる罪の意識。

目の前の制作に集中して、命が映る灯りをたくさん創っています。

2023.10.17秋を慈しむパーティー開催〜イタリア料理とキャンドルの灯り〜

約4年ぶりとなる、イタリア料理研究家のオッティモ・高橋やすこさんとのキャンドルナイトパーティーを、先週末小樽の我が家で開催しました。

長いブランクの間、やすこさんとお会いするたびに、いつかまた開催できたときは、こんな感じにとか、お客様がどんな気持ちで過ごされていくかをいろいろな角度から想像しながら、じっくりと二人で温めてきました。

写真のキャンドルは、やすこさんの学びの原点、イタリアの大地と食事、人々と文化の普遍的なものに敬意を込めて、カラー、大理石のような質感に銅のようなピンクのようなゴールドをあしらいました。そして、雪虫が飛ぶ、秋深まる肌寒い北海道の気候を、心温まってほしいと思い、ウールベージュをベースにした灯りとなりました。

パーティー当日を、私たちも忙しくなるのは承知で、少しでもホッとする瞬間を作ったのも、お客様をゆったりとお迎えするための大切な時間。
2016年の初回はお客様として、2回目からは、大切なアシスタントとしてサポートをしてくださっている、眞理さん(右)とやすこさん(左)と束の間のゆったり昼食。その日は、なんとも爽やかな秋風とポカポカ陽気の太陽が照って、気持ちも清々しくスタートしました。

昼食後は、それぞれ準備スタート。私は、テーブルセッティングを各部屋つくっていきました。

セッティングに使ったお皿の数々は、どれも、亡くなった母が、大事にコレクションしていたもの。特に母が大好きだったイギリスのウェジウッド社の陶磁器を中心に柔らかい印象にコーディネートしました。少し喜んでくれたかな…。

やすこさんと眞理さんの準備の様子。

夕方が近づき、日も少しずつ陰っていく時間。キャンドルをどんどん灯していきました。

ドリンクバーもだんだん充実してきました。

現在北海道立近代美術館にて開催中の「近代日本画と北大路魯山人展」のために制作した魯山人の行灯をモチーフにしたキャンドルにも火を灯しました。


今回のドルチェはあかねリンゴのタルト。やすこさんお手製のシロップは全てりんごからの色!チークカラーのような透明な乳白色のピンクで仕上げます。

すっかり日も落ちて、みなさんをお迎えする時間となりました。
今回は、初めてお食事までの時間、ゆったりと各々の時間を過ごしていただきたいと、一時間早めにオープニングしました。

ウェルカムドリンクや、やすこさんお手製のあんバターのクラッカー、果物やフィンガーフードをお楽しみいただきながら、初めましてのお客様同士も、自然に打ち解けていっておられる様子でした。

我が家のセキセイインコのルル(最近「君」であることがわかりました)ちゃんも美味しそうな匂いと温和な眞理さんの肩に飛んできて、癒してくれました。

さあ!これから色とりどりのお料理がどんどん並んで、テーブルは秋を慈しむ色に。

海から生まれた魚介の濃厚スープ。

前菜だけでも、14種類はあり、皆さん何度もテーブルをぐるぐるしていました。

ポルチーニと北海道キノコ、そして余市でやすこさんの契約農家さんの濃厚トマトのスパゲッテイー。

テーブルを囲み、食材のことや、素朴な疑問、お料理のとっておきのヒントなど、やすこさんから直に説明を受けることができるのもこのパーティーの醍醐味かもしれません。

秋の色! なんと綺麗なかぼちゃのリゾット。やすこさんお手製イタリアンソーセージが食欲をそそります。

今回のメインは、4日間赤ワインとブイヨンで煮込んだ釧路からの蝦夷鹿のお肉。
ごぼうがアクセントとなり、口の中で柔らかく溶けていきました。

デザートはりんごのタルトとブラックコーヒーをいただきました。
やすこさんのお料理は体を流れていくイタリアン。皆さん、口を揃えて、「どんどんたべらされちゃう!(北海道弁のたべらさる)」としきりにおっしゃっていました。

二日目の朝。
やすこさんと朝食をとったあと、やすこさんが取り掛かったのは、秋ならではの食材、「旅路」という種無し葡萄を生のままでフォッカチャの生地に練り込み焼き上げたもの。

レーズンパンは食べたことがあったけれど、こんなにフレッシュで葡萄の香りが広がるフォッカチャは初めてでした。

食を通して、灯りを通して、心とこころが近くなるひととき。
お家に帰られても、あの時に灯してお持ち帰りいただいたキャンドルにまた火をつけて、ゆっくりと思い出を振り返っていただけましたら幸いです。

ご参加くださいました皆さま、小樽の山奥まで足を運んでくださり、本当にありがとうございました。

また次は雪あかりのシーズンかしら。。。またお会いしましょう!

2023.10.7男5人・チームAlquestからのビデオクリップ

5月に出発した、世界一周チーム、Alquest 男5人の世界一周 ラーニングジャーニーからのデイリーレポート。トルコ〜ギリシャ〜東欧諸国を経て、現在、北欧に入りました。


トルコ・カッパドキア


地震で街が崩壊してしまったトルコにて。ここでは、隠岐島の高校の時に留学生だった友達のお宅に滞在しました。


物価も日本より安いハンガリーの街


ポーランド・クラクフにて。写真は、映画「シンドラーのリスト」のオスカー・シンドラー氏が建てた工場。


クラクフに点在する、ゲットー跡。

先日メンバーの一人でもある息子が、単身ハンガリー〜チェコ〜ポーランドを巡っている時に連絡をくれました。
歴史的にも様々な苦難を乗り越えてきている中、街づくりという点で、日本の再開発との違いを感じました。それは、年数が経つほど、住宅や公共施設の価値を上げていこうとする取り組みを国をあげてしているからかもしれません。以前個人邸宅だった施設を市が図書館に生まれ変わらせたり、商業施設と一般住宅がそれぞれの建物の歴史を守っていく前提で、人々のライフスタイルが構築されているような雰囲気が伝わってきました。

近代の日本では、特に住宅に関して、「経年劣化=価値がなくなっていく」という概念が私たちの中にあると思います。空き家や放置された家々、施設を小樽で歩きながら思うのが、一番小さな単位で、住めば住むほど、訪れるほど、建物に対する愛着や価値を高めていこうとする意識が、個性あふれる街の発展と存続に直結しているのではないかと思うこの頃です。日々のお掃除の仕方や部屋での過ごし方が頭に浮かびました。

さて、アルクエストのメンバーは、滞在先、移動中に今回の旅をビデオクリップにまとめてYouTubeから配信しています。
見たままを、感じたままを楽しく若いエネルギーで伝えてくれていますので、ご興味ある方は覗いてみてくださいね。

カンボジアでのアンコールワット遺跡レポートはこちら↓↓↓
アンコールワット遺跡

そして、最新の続編ビデオクリップはこちら↓↓↓
ベンメリア遺跡

また、彼らが今まで撮った記録は、国ごとにこちらのインスタグラムにて紹介されています。

地球が、生体的にも哲学的にも悲鳴を上げているような感覚の中で、彼らの目を通して世界の様子を見ることはとても勉強になっています。

2023.10.2小樽運河100年・特別企画のご案内

今年は、小樽運河100年の節目。

秋も深まる11月の初めに、旧三井銀行小樽支店における特別企画「重要文化財パーティー」にて、空間演出を小樽の花売業Kusaさんと共に装飾させていただくことになりました。

文化芸術を軸に、これまで築かれてきた小樽から、未来へ歩む街を考える貴重な機会になるように、精一杯取り組みたいと思います。

ご参加興味のある皆様、詳しくはこちらをご覧ください。

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