2022.4.8新学期
我が家では、娘の高校生活2年目が始まりました。
札幌の高校まで、朝は5時半起き、1時間45分の道のりをバスとJRと地下鉄を乗り継いでたどり着く毎日ですが、特にこの冬を乗り切ったので、春の早起きは、明け方の気持ちの良いひとときとなっています(少なくとも私は…笑)。
自分が16、17歳の頃を思い出すと、今の子達のように、携帯なんてものはなかったし(我が家は相当長い間、黒電話でした)、大好きな音楽も、Apple Musicのファミリー共有の聞きたい放題なんてものはなく、こだわりのカセットテープに、自分のベスト盤をダビングして作って、レタリングでカセットにも”the best of …”を作ってお友達にプレゼントしたり…。本当に時代は変わりました。
それでも、よく娘といろんなことを話すと、若い高校生たちも、アナログを意識してコミュニケーションをとっていたり、長引くコロナ禍で、マスク着用のダウンサイドも感じながら、人とどうやって深く付き合っていけばいいのか思い悩んだり、共感することがたくさんあります。特に、戦争のことは、とてもリアルに受け止めているように見受けられます。歴史の教科書で学んできたことが、今まさに起こっていて、戦時下になると、人の精神が恐怖と抑圧に支配され、命が軽んじられ、深い悲しみと憎しみが癒えることなく続く状況を、毎日のニュースから学ぶ日々。難しい時代だけれど、一つずつ丁寧に一緒に歩んでいきたいと思いました。
SBCA0510
2022.4.1April Come She Will
雪が散らつく4月1日。
今日から、新年度ですね。
今朝は、ずっと昔の、サイモン&ガーファンクルのアルバムを聴きながらブログを書いています。自ずとアメリカの風土が懐かしくなって、思い出したのは、ちょうど4年前のこの時期、私の師匠クラウディアが当時暮らしていたシアトルと、モンタナに暮らす弟家族に会いにいった時のこと。
コロナの為に、それからはずっと会えていませんが、モンタナで新しい家族となったソフィーというわんちゃんや姪っ子甥っ子の写真を送り合いながら、何とかみんな元気で過ごせていることに感謝して、いつかまた会える日を心待ちにしています。
シアトルでは、クラウディアと二人で、彼女の親友がディレクターを務めるテキスタイルミュージアムを訪れたり、お友達のウイスキー蒸留所に行って、ディープな話をずっとしていたことなど、素敵な思い出も、今のこの状況だと、星の彼方ほど離れてしまう気がして、何とも言えない気持ちです。
限られた時間の中で、作った思い出と、これから作る思い出。
新年度、新たな気持ちで、頑張ります!
2022.3.27雪溶けの小樽
春の嵐の日本列島。
北海道・小樽は、先週から、一気に雪が溶け始めて、自宅のある天狗山も、市道は全て乾いた道路までになりました。
北海道は、初雪が早い年は10月から始まるので、もう半年近く、白の世界に包まれていると、
今朝家のドアを開けた時に、春一番のような生命の風が吹き抜けた瞬間、なんとも言えない気持ちになりました。
連日、緊張が高まっている世界のニュースを読むたびに、こうした季節が変わる喜びのような、小さな日常的なことも、どこか遠くへ行ってしまって、生死の間で苦しむことを毎日課されている人々や子どもたちの心を思うと、胸が張り裂けそうです。
真実でないことを、主張して正当化する。
そこには、人間としての良心や尊厳はエゴで見えなくなってしまっていて、個人の権利主張という形が横行し、小さな単位の声の集合体が、時間をかけて紡ぎ、作ってきた、積み重ねてきた平和的な考え方や歴史が、いとも簡単に壊れされていく。
お金に囚われ、成功することが、ほとんどの物事の価値を決めていく社会を作ってきてしまった私たちの大きな責任だと、特に最近思うようになりました。
2022.3.18春のお誘い
昨日は、大切なコラボレーティブパートナーの宮平桐さんの個展の設営に、お手伝いに札幌に出向きました。
彼女とは、大丸札幌で2008年にご一緒してからのお付き合いで、2020年のGATE展で大丸を卒業してからも、年に一度、冬のクリスマス展のコラボレーションで共に活動しています。
彼女のスペシャリティ、コスチュームジュエリー、オートクチュール刺繍アクセサリーとフレームアートは、単なるアクセサリーの域を超えた、もっと精神的で普遍的なものが伝わってきます。
春展では、「龍の巣〜チカラ」と題した作品で、中国の貴州省にある「龍の巣」と呼ばれる巨大洞窟ミャオティンからインスパイアされたものがハイライトとなっています。
『闇は無ではない。光を得ると何かが輝く。』
彼女の愛情溢れるメッセージが、作品から伝わってきました。
お近くの皆さま、ぜひ足を運んでみてくださいね。
2022.3.16平和の波
先日、昨年から高校の美術の授業で取り組んでいたウクレレが出来上がり、娘が家に持って帰ってきました。
生徒たちの共通のタイトルは、「平和」。
それぞれ思い思いのデザインで、自由に描けるのですが、使える色は限られた色で、例えば、白は使えない色だったようです。それでも、一人一人の個性が際立った平和の楽器が仕上がり、実際に手に取ってみると、すごく感動しました。娘のアイディアは、弾く人がみるアングルだと、水が動く波にも見え、真っ直ぐ立ててみると、植物が育っていく動きにもみえ、アシンメトリーのデザインが、限られた色でも無限の可能性を創り出すことができると、なんだか、すごく力づけられた気持ちになりました。
毎日、娘とは、世界情勢について、聞いたり話したりしています。何かこう、みぞおちの奥から、ずしんとなんとも言えない重い感覚があるというか、お腹が緊張感から重いというか、不安な恐ろしい気持ちになるこの感覚を、娘には、これが戦争が近くなるという感覚なんだ、覚えておこう、と、話しました。ごく一部の人たちの極端な執着心や野望が、民間の人々の人生をいとも簡単に奪い、絶望と悲しみを植え付け、何も振り向かない姿勢が、人間から、数々の歴史の過ちを経てもこうして出てきて、ましてはその考え方が台頭し、何も誰も言えない状況となる恐ろしさ。
当たり前だった、平和の感覚は、もうそこにはないと、受け身の平和ではなく、限られた力でも、一人一人が思い思いに作り上げていく平和なんだと、思いました。
2022.3.11つなげる、いのち。
11年目の、3.11。
壊れやすいガラスに纏われた、いのちの灯りの連なり。
毎日、いのちの尊さを考えない日はない状況が続いていること。
本当に、心が痛みます。
でも、紛争や内戦や侵攻は、今回のウクライナ情勢にはじまったことではなくて、ついこの間もアフガニスタンや、シリアの難民がヨーロッパにやっと辿り着いた時に、受け入れる状況ではなかったり、あるいは、ある国では、中東からの難民に対する偏見から、行動制限を強いた挙句、他の国がその難民の人たちの受け入れを発表した途端に、大歓声が上がるような状況だったり。
自分自身、そのようなニュースを見ていたのにも関わらず、本当の意味で、自分のこととして受け止めていなかったこと。今回は、「西側」のカテゴリーに含まれる国が侵攻されているから、身近に思ってしまっている自分に、同時に罪の意識も生まれています。
今日は震災から11年。それからも、これまで、たくさんの災害が日本をはじめ世界中で起こり続けています。天災で命を失うこと自体、耐えられない苦しみなのに、それが人為的な戦争という形で、人の生きる権利を奪う状況をリアルタイムで目撃して、私たちは証人になっている。
第二次世界大戦から学んだ、数えきれないこと。「歴史は繰り返す」という言葉が、脳裏に映る時、どうしたらそうなってしまうのか、何がそれを導いていくのかを、改めて深く認識して、ちっぽけでも、一人間としてできることを考えて、具体的に行動したいと、心に誓いました。
2022.3.8北海道の灯りコレクション「さくら並木」
北海道の灯りコレクションは、私が、2006年、洞爺で工房を初めて構えてから一番最初に製作したシリーズです。
全部で、20種類ある中で、「さくら並木」は、2番めにデザインしたキャンドルです。満開の桜並木が風に舞う瞬間、あのなんとも満たされた気持ちと、一瞬の儚さみたいなものを、色で表現しました。
師匠のクラウディアから教わった、香りの調合の仕方や、灯した時に、実際にワックスが融けていくとき、どのような感じになるか、安全に安心して灯していただけるように、実験を重ねて、たどり着いた形となりました。
先日再登場した、「しずく型」の形でもさくら並木でお創りしましたので、ご興味のある方は、こちらからご覧くださいませ。
2022.3.1ふる里の本「月刊おたる3月号」にエッセイを寄稿しました
今日から3月。
小樽は、朝から春の湿った雪が天狗山から舞い降りています。
今回、ご縁があり、月刊おたる3月号に、エッセイを寄稿しました。
小樽に移住してから、いつも温かく応援をしてくださっている、編集長の藤森五月さんが、私が女優の栗田桃子さんと始めたMilky Way Projectに、とても興味を寄せてくださり、昨年末のクリスマスの盛岡公演のあとに、作家として、また新しいMilky Way Projectをこのコロナ禍で育てていく私の想いを、エッセイに綴ってみないかと、お声をかけてくださいました。
エッセイを書くのは、学生時代以来のことでしたので、本当に自分にできるんだろうかと、不安でしたが、なんとか、3月号に間に合うことができました。今月中は、私の主人が営んでいる小樽MUSEでご自由にお持ち帰りいただけるようになっておりますので、ご興味がある方は、ぜひお手にとっていただけましたら幸いです。また、来月には、アーカイブとして、このホームページのリニューアルに併せて、エッセイをお読みいただけるようにする予定です。
全国でも、非常に珍しい、歴史ある文芸誌、「月刊おたる」は、私たち小樽人にとって、文学と芸術の魅力的なエッセンスが詰まった、地元発信のなくてはならない月刊誌となっています。今年の秋に、700号刊行を記念する大切な年に、このような機会をいただけて、光栄な気持ちと、同時に身の引き締まる思いもしています。
大好きな小樽の一部になれた気がしました。
2022.2.26Peace, please.
いのちを想う。
No War.
Peace, Please.
2022.2.20ピュアなかたち、「しずく」のキャンドル、再登場
2月も、あと10日を切りました。
今日は、これから非常に強い低気圧が北海道を襲う予定で、明日、学期末テストを控えている娘にとっては、JRとバスが運行してくれるか、不安な日となっています。
これでもまだ降るか…という以上に雪が降り続くこの冬。気持ちは春に目掛けて進むだけ!と言い聞かせて過ごしています。
そんな中、型のメインテナンスが終わり、3年半ぶりに、「しずく」型のキャンドルが製作できるようになりました。
きっかけになったのは、展示会でオーダーしてくださっていたお客様でした。いつも亡くなられたご家族やわんちゃんたちのために、灯りをともして偲ぶ時間を過ごされていらっしゃるのを知り、しばらくお休みをしていた形に、また火が灯ったように感じました。
「Raindrop/しずく」には、いろいろな意味が込められていて、何千年も前から、人の心の形成を司るエッセンスのようにも捉えられています。私の旧姓が実は「雫」だったのもあり、小さい頃からこの言葉と形に慣れ親しんできたので、また戻ってきたのも、自然に感じるのかもしれません。
「しずく」のキャンドルは、カスタムオーダーでもお創りしていきます。詳しくは、こちらからどうぞ。
皆さんの、ピュアな想いをかたちにして、様々なシーンで心を照らしてくれることをイメージして、製作に励んでいきたいと思います。
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