Jun's Light

Jun’s Light | the beauty of transience

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2022.10.3金木犀の香り

9月の最終日、ずっと娘と計画していた仙台に一泊二日の旅に出かけてきました。
彼女が目標としている大学キャンパスと周辺の環境を歩いて巡ろう!と、一日中ずっと歩いた距離は14キロに。
風景をこんなに感じながら、街を歩いたことは今まであまりなかったなと思いました。

仙台の街は、まさに「杜の都」と言われる通り、歴史が刻まれている街路樹が街を作り出していました。無機質なものがそこにあっても、それを温度のある有機物として捉えさせてくれるような、常に爽やかな風が通り抜けている街。人が通る遊歩道が、車両道路と同じくらい広く取られていて、Welcomeな雰囲気に、娘もすっかり「滞在」の気持ちから、もう住んでいるような錯覚を持ったようでした。この何とも言えない、穏やかな街の雰囲気は、やっぱり、自然と共存することを大切に思っている、そこに住む人々から醸し出されてきているのかもしれません。

木の力は、本当にすごいです。そこにいるだけで、自分らしさを見失うことなく、支えられている気持ちになる。
ずっと見ていたくなりました。

そして、思い出に残ったのは、金木犀の香り。
キャンパスのどこにいても、甘いお上品な香りが風からやってくるのです。
その金木犀たちも、どれも、今まで見たことのない大きな大きな木となって、山吹色の小さなお花をたくさんつけていました。

一瞬一瞬の積み重ねが長い歴史となり、作り出した、人とまちづくり。
来年も金木犀の香りを楽しみに訪れたいと思います。

2022.9.23芸術鑑賞の季節へ

今週に入って、一気に秋になった北海道。
ナナカマドの木々も、実をたくさんつけて、秋のカラーがどんどん街並みに見えてくるようになりました。
我が家では、夏物の最後のお洗濯をして、そろそろクローゼットの入れ替えです。
これから北海道に来られる皆様、脱ぎ着しやすい暖かい服装でいらしてくださいね。

さて、先日もご案内させていただきました、Frank Weberのライヴin Hokkaido。
会場は、秋の芸術鑑賞にはため息が出るほど素敵なところ…
世界的に活躍されている彫刻家、安田侃氏のお膝元、アルテピアッツァ美唄アートスペースです。
先日、フランクと私たち実行委員会のメンバーで、美唄を訪れました。
広大な自然と、大理石の彫刻たちが、訪れる人たちの世界観と優しく対話してくれるような、どこか神聖で、妖精たちがたくさん住まいとしているようなところです。

ライブの詳しい情報は、ぜひこちら:Frank Weber美唄公演をご覧ください。

10月の紅葉が最高の季節に、アルテピアッツァ美唄で、皆様にお目にかかれるのを楽しみにしています!

2022.9.17朗読「銀河鉄道の夜」終演

朗読「銀河鉄道の夜」は、本日終演いたしました。ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。

昨年のクリスマスに続き、今回は歴史情緒漂う、町屋物語館の浜藤ホールで、再演を企画してくださいました、いわてアートサポートセンターの皆様、浜藤ホールの皆様に、心よりお礼申し上げます。

そして、この作品をお届けするのに、大きな力を注ぎ続けて下さったメンバーの皆さんに、深い敬意と感謝を贈ります。ありがとうございました。

朗読「銀河鉄道の夜」

9/16(金)19:00開演
9/17(土)13:30開演

会場:もりおか町家物語館 浜藤ホール
原作:宮沢賢治 
演出:鵜山 仁(文学座)
出演:栗田桃子(文学座)
照明:坂口美和
音響:日下部麻理
音響操作:金子幸世
映像:浦島 啓
音楽:フランク・ウェバー
舞台美術:米澤 純(Jun’s Light)
演出助手:谷 こころ

主催:アーツライブいわて実行委員会 NPO法人いわてアートサポートセンター 公益社団法人日本芸能実演家 団体協議会
共催:盛岡市
後援:岩手県 岩手県文化振興事業団 岩手県芸術文化協会 岩手日報社 朝日新聞盛岡総局 読売新聞盛岡支 局 毎日新聞盛岡支局 産経新聞盛岡支局 河北新報社 盛岡タイムス社 岩手日日新聞社 NHK 盛岡放送局 IBC 岩手放送 テレビ岩手 めんこいテレビ 岩手朝日テレビ エフエム岩手(順不同)

2022.9.14YUIQさんへ、秋の灯りのお届け。

今週は、札幌のライフスタイルショップ、YUIQさんにお届けする秋の灯りを創りました。

ノーブルなパープル寄りのバーガンディーのキャンドルに火を灯すと、ステンドグラスを見ているような、いろんなカラーが浮かぶのをお楽しみいただけるようなイメージにしました。

YUIQさんでは、先週9日から、コラボレーティブパートナーの宮平桐さんの個展が開催されています。
彼女の精神的なエッセンスを盛り込んだ、オートクチュール刺繍アクセサリーとアートの数々。

心を、おおらかに、柔らかく支えてくれる作品群に、私もエネルギーをいつもいただいています。
「盛岡公演、頑張ってきてね」と、彼女の大ぶりのブローチをそっとつけてくださった桐さん。

9/25まで開催されていますので、お近くの皆様、ぜひYUIQさんまで足を運んでみてくださいね。
詳細は、下記をご覧ください。

Kiri Miyahira Autumn Collection
9月9日(金)~25日(日) 10時~20時
(15日·21日以外は終日在店)
YUIQ ユイク 大通ビッセ2F
札幌市中央区大通西3丁目7
電話 011-206-9378

2022.9.10もうすぐ盛岡公演

いよいよ来週9/16,17は、朗読「銀河鉄道の夜」の盛岡公演です。
ここ3、4日で、舞台で使用するものを最終チェックして、特にワックスランタンを修理したり割れてしまったものをもう一度再生してつくっていました。

調色するたびに、銀河で見える無数の色に心が包み込まれる感覚になります。
盛岡公演に向けては、中間色の優しいブルーをベースにしたものを創りました。
ひとつひとつの要素が、舞台から広がる銀河の世界に繋がって、気づいたら、観ていてくださっている皆様の一人ひとりの心に銀河の世界の灯りが宿る…。そんなイメージを持ってつくりました。
今回初めて、舞台になくてはならない音楽を作曲した、Frank Weber氏も、来日して公演スタッフチームとして参加できることになりました。当日、もし見かけられましたら、ぜひお声をかけてくださいね。

盛岡公演で、皆様にお会いできますことを楽しみにしています!
詳しくはこちら

2022.9.6お散歩友達


やっと叶ったお散歩友達との朝活。
朝8時に、自宅からほど近いところにある、彼女のご実家の前でいつも待ち合わせをして、小樽の街を隈なくゆっくりと巡る2時間。
今回は、オタモイ海岸に行こう!と、海に向かって車を走らせました。

狭い道を空に向けて走って、そこからひたすら断崖絶壁の海岸近くまでは、深い黒に近いグリーンに覆われた森の中のヘアピンカーブの連続を抜けたら、背の高いススキが海風に揺れた場所がひらけてきました。

オタモイ海岸は、その昔、1936年にオタモイの断崖絶壁に「龍宮閣」という高級料亭をはじめとする遊園地として、今でいうところの大型リゾート施設が建設されたところです。残念ながら、1952年に龍宮閣が全焼してしまい、閉園となってしまいました。でも、小樽市民にとって、幻の夢の国があった、どこかミステリアスで秘密の場所のようなところです。

今では、龍宮閣跡が遠くにちょっとだけ見えて、その手前にある小さな門のところまでは、落石の危険性があるので、もうそばまではいけないですが、子供たちがまだ小さかった頃は、下の海岸まで下りて、潮干狩りができるようになっていました。オタモイにくる度に、何か別の世界に迷い込んだ気がして、昔の人たちは、ここをめがけて、遊園地で遊んだり、料亭も、高級なものと、大衆食堂的なものと分かれていて、演舞が毎晩執り行われていたことを想像しながら、海を眺めていました。


彼女とのお散歩は、イマジネーションの共有の連続。
小樽は、一つとして同じ景色に遭遇することはなく、第六感までを決して飽きさせない場所。
オタモイが、これから再開発されるニュースを最近きいて、「龍宮閣」と聞いたら、日本人ならではの、独自の世界観がどんどん浮かぶような場所になればいいなと話していました。

2022.9.1FRANK WEBER Live in Hokkaidoのご案内

9月がはじまりました。
今日は、お天気が非常に不安定で、札幌に向かう高速道路からは、札幌のビル群が蜃気楼のように見えて、とても幻想的でした。

季節は、芸術の秋へ。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2019年から、「アートが音楽と出会うとき」において、「人間の心の探求」を創作活動を通して交流してきた、コラボレーティブパートナーのFrank Weber氏が3年ぶりに来日しています。
そして、彼のピアニスト、ヴォーカリストしてのソロライブが、北海道の有志たちによって企画されました。
長いキャリアの中でのオリジナルソングはもちろん、JAZZをベースとした様々な楽曲も間近で聴ける、大変貴重な機会となります。

ご予約はこちらからどうぞ

滞在の本拠地である、小樽では、小樽MUSEにて10/15に開催。(小さなカフェレストランですので、25-30名様の定員となっています。現在のところ、すでに、半数以上のご予約をいただいておりますので、ご興味のある方は、お問合せはお早めにしていただいた方がいいかと思います。)
また、今回は、美唄市にある、安田侃氏のミュージアムギャラリーがある、アルテピアッツァ美唄のホールでのソロライブ10/16も開催できることになりました。(美唄公演も、コロナ禍なこともあり、定員は通常の半分くらいを予定していますので、早めのご予約をお勧めします。)紅葉が一番綺麗な頃に、アルテに行けると思うと、今から本当に楽しみです。

2022.8.30銀河から届く、秋の灯り

遠い銀河から届く、秋の灯りを創りました。
朗読「銀河鉄道の夜」盛岡公園にて、販売させていただけることになり、限定数ですが盛岡にお持ちします。

銀河に私たちを連れて行ってくれる、女優・栗田桃子さんの新しいコスチュームに合わせて、北方のスレートブルーを意識しました。

香りは、人間の歴史で、大昔から親しまれてきた、大地に根を下ろす樹木、フランキンセンスに、鼻からスッと秋風のように抜けていく、ペパーミントのエッセンシャルオイルをブレンドしました。

盛岡公演で、皆様にお会いできますことを楽しみにしています!
詳しくはこちら

2022.8.29夏から秋へ、神威岬にて

積丹にある神威岬。
小樽の自宅から1時間ほどのドライブで、そこに見えた景色は、360度の別世界でした。

神威岬の突端まで、歩いて30分ほど。現在では5代目となる灯台にたどり着きました。
この灯台は、1888年に初めて建設され、当時は電気ももちろん通っていないので、毎日3人の人員でランプを持ち、4キロの舗装されていない山道を歩き、任務を果たしていたそうです。

岬の突端に立つと、そこまで歩いてきた道のりを囲んでいた雄大な景色と大地そのものから、秋の味が微かに混ざった風とともに、何か覚悟するものを背中からぐっと押してくれるような、そんな感覚になりました。

初めて、全員でではないけれど、小さな家族と訪れた積丹。
血は繋がっていないけれど、尊厳を持って、いつも心の中に進んで入ろうとしてくれる、友人たちの顔。

いざという時に、色んな選択肢がある中で、
柔らかで、真剣で、多角的な見方で、一番大切な「話し合い」を重ね、未来に向けて努力しあえる、
かけがえのない人たち。

いろんな想いが交錯した夏の終わり。

日々、少しずつ空が遠く見えるようになりました。
今週のどこかで、地元の友達が誘ってくれた小樽散歩が楽しみになってきました。

2022.8.19Implicit and explicit

ここ二日ほど、小樽は、真夏の峠を越えた時の、秋の空気が全体の10%くらい混ざっているような、クールダウンした天候でした。と思ったら、今日は早朝から、夏の日差しが照りつけて、仕事の合間に、また蘭島の海を見てきました。

空は、夏から秋への移り変わりが始まっていました。

自然の微妙な変化が、無理なく感じられる喜び。

人間は、心にある気持ちを、言葉で表現したり、態度で示すことができる。
なんでも、わかりやすく、伝えられなくても、未知に対する想像力をフル活動しても、
自分はわかっているようで、全然わかっていなかったり。
無条件の愛情が相手に伝わっていたと信じていたのに、伝わっていなかったり。

それでも、真実は、不動であり、
そのことを、どれだけ真摯に、相手のことを想って気持ちを届け合うことができるのか。

誠意と心からの信じることは、
表面では見えなくても、
原点に立ち返って、
大事な人々には、
ずっとずっと大切に持ち続けて生きていきたいと思わせてくれた空でした。

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