プラハ2日目。
写真にあるのは、15世紀に建てられた塔(火薬塔)で黄色い建物が市民会館。
実際に目の前に行くと、火薬塔の存在にまず圧倒されてしまいました。中世を色濃く残した壮大な造り。。。言葉が出ませんでした。
市民会館の入り口のモザイク
市民会館は、1911年に建設されました。チェコを代表するアール・ヌーヴォー&アールデコ様式建築の一つで、今も、あの「モルダウ」で有名なスメタナ・ホールでコンサートが開かれています。そして、そのホールの一部や2階の市長の間は、アルフォンス・ミュシャが全内装を手がけたことで知られています。幸いにも、その日は市民会館ツアーに間に合って、じっくりとその歴史について学ぶことができました。
スメタナホール(舞台の奥にスメタナと描かれたパイプオルガン)とミュシャが手がけた天井画
音楽だけでなく、ダンスもできる多目的ホールに設計されてるので、座席もアレンジできるようになっています。
当時にタイムスリップさせてくれる、最高のガイドさん。現在と過去を結ぶ、貴重な存在に思いました。
ツアーの醍醐味は、ホールだけではなく、その裏手にある建築も全て見せてくれるところ。写真は、Gentlemen’s Roomだった場所です。当時は、まだまだ男性の地位が上だったので、ホールのすぐ横のお部屋は、カフェになっていて、男性の観客達がこの部屋でくつろいでいました。カウンターにはカフェをプレスする機器もまだ残っていました。全体的なお部屋の構造もジェントルマンを意識した角っとしたデザインが印象的でした。
ジェントルマンズルームを抜けると、今度は非常に女性的な部屋が待っていました。全体的な丸みを帯びた、ドアカーテンにはマクラメ織が施され、とても柔らかい印象を受けました。男女の違いを建築の内装で表現している市民会館。とても興味深かったです。
そして、いよいよ、ミュシャが全内装を手がけた市長の間。
ミュシャがアーティストとして残した、人間の共存と平和への願い。
大変、冷戦、独立を経て、チェコの人々が守り続ける文化と歴史の認識に対する敬意が込み上げてきました。
当時から変わらない、クロークルーム。静かな場所で、感極まった自分の頭を少し冷やす思いでしばらくいました。
市民会館の一階のカフェ。ツアーで感じたチェコの人々の寛容で力強いスピリット。カフェをいただきながら振り返っていました。
つづく