

ボストンをあとにし、タングルウッドの森のあるレノックスをすぎて、マサチューセッツ州にさよならを言うと、ニューヨーク州に入りました。

ホームステイするフランクのお家はNYCではなく、ハドソン川をシティから北上し、アメリカでも名高いWest Pointのちょうど対岸にある場所にありました。

一瞬、エリアの情景は小樽の天狗山の頂上に行く道かと錯覚するほど、深い森を縫っていく雰囲気がそっくりでびっくりしました。道路は、アスファルトではなく、かつてアメリカ建国から南北戦争時代に築かれた道をそのまま保存しているため、舗装がされていませんでした。その道からそれぞれの住宅が見えるか見えないくらいのプライバシーを木々に守ってもらっているうっとりするくらい素敵なレジデンス住宅が点在していました。森を奥に進むと、池やホースランチがいくつもあって、これは小さい頃絵本で読んだことがある景色みたいで不思議な感覚になりました。まるで森のラビリンス(迷路)のようなところだわ!と自分がどこにいるかわからなくなった辺りで、フランクのお家が見えてきました。

夜はピッチブラックという色がぴったりの、正真正銘の真っ暗な世界。ご近所さんは何軒かありましたが、物音も車の音もなく、Walking on the Moonという言葉がピッタリの場所でした。
「ここはね、鹿とか秋にはターキー(七面鳥)の親子も来て子育てしているのを見れるし、コヨーテもアライグマもスカンクまで来るんだよ。でもどこかしら小樽に似てるでしょ?」とフランク。確かに、初めての場所なのにこの親しみの度合いは多分そういうことなのかしらと思いました。MUSEでいつもかけているフランクのアルバムUNSPOKENの楽曲はこの環境でレコーディングされたことを思うと、納得でした。
明日は、私の師匠クラウディアと彼女が暮らすNew Jersey 州へ向かいます。元々フランクもNJ出身なので、生まれ育ったところやゆかりの場所を訪れながら、7年ぶりのクラウディアとの再会を果たしてくる予定です。
つづく