やっと叶ったお散歩友達との朝活。
朝8時に、自宅からほど近いところにある、彼女のご実家の前でいつも待ち合わせをして、小樽の街を隈なくゆっくりと巡る2時間。
今回は、オタモイ海岸に行こう!と、海に向かって車を走らせました。
狭い道を空に向けて走って、そこからひたすら断崖絶壁の海岸近くまでは、深い黒に近いグリーンに覆われた森の中のヘアピンカーブの連続を抜けたら、背の高いススキが海風に揺れた場所がひらけてきました。
オタモイ海岸は、その昔、1936年にオタモイの断崖絶壁に「龍宮閣」という高級料亭をはじめとする遊園地として、今でいうところの大型リゾート施設が建設されたところです。残念ながら、1952年に龍宮閣が全焼してしまい、閉園となってしまいました。でも、小樽市民にとって、幻の夢の国があった、どこかミステリアスで秘密の場所のようなところです。
今では、龍宮閣跡が遠くにちょっとだけ見えて、その手前にある小さな門のところまでは、落石の危険性があるので、もうそばまではいけないですが、子供たちがまだ小さかった頃は、下の海岸まで下りて、潮干狩りができるようになっていました。オタモイにくる度に、何か別の世界に迷い込んだ気がして、昔の人たちは、ここをめがけて、遊園地で遊んだり、料亭も、高級なものと、大衆食堂的なものと分かれていて、演舞が毎晩執り行われていたことを想像しながら、海を眺めていました。
彼女とのお散歩は、イマジネーションの共有の連続。
小樽は、一つとして同じ景色に遭遇することはなく、第六感までを決して飽きさせない場所。
オタモイが、これから再開発されるニュースを最近きいて、「龍宮閣」と聞いたら、日本人ならではの、独自の世界観がどんどん浮かぶような場所になればいいなと話していました。